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明らかに大人しくなった志麻をみてAは立て続けに言った。



「何を怒ってんのか知らないけど、少なくとも私はコソコソと怪我を隠して人の心配を無下にした事は怒ってるよ」

「...」

「人の心配は本心じゃなくても見下してるものじゃなかったら無下にしちゃダメ。」

「だって、どうせみんなが欲しいのは傷のない俺やろ。価値のある俺が欲しくて、」

「...なるほどね」



志麻のぽろりと零れた言葉にAは頷いた。

理解した途端、目の前の彼が弱くて年相応の少年に見えて、くすりと笑いが漏れる。



「今までずっと先生のいないときを狙ってここ来て、自分で怪我の手当してたの?」

「...怪我するな、って言うんやろ」

「別に?他人が怪我してもしてなくても知ったこっちゃないし。別に私が痛いわけじゃないじゃん」

「...じゃあなんやねん」

「ふふ、寂しかったでしょ」



Aの抑えきれなくなって零れたような笑い声が、志麻の耳に優しく溶けた。

それが体内を駆け巡って、その代わりに体外に出たのだとでも言いたげに目から何か温かいものが頬を伝って落ちる。



「怪我したことがバレると怒られるから、みんなの周りで平気な顔して周りの顔色伺って隙をついて手当をして...ってずっと1人でやってきたんでしょ?」



優しいね、1人で頑張ってたんだ。


気づきを言うように、ぼそりと小さな声で言うAの言葉はしっかりと志麻の耳に届く。

何かが崩れたように泣きじゃくる志麻の頭をそっと撫で、Aは小さくつぶやく。


「...馬鹿だなぁ」



無理をする彼も、そんな彼を受け入れる自分も。

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かしや(プロフ) - 雨の夜さん» ありがとうございます〜!内容に重きを置いているのでそう言っていただけると嬉しいです!更新がんばります! (2021年1月31日 17時) (レス) id: a864d91887 (このIDを非表示/違反報告)
雨の夜 - コメント失礼します!いやぁ〜前から見てたけど話の内容面白いのですごく好きです!作者さんのぺースで更新頑張ってください! (2021年1月31日 10時) (レス) id: 1e59db50fb (このIDを非表示/違反報告)
かしや(プロフ) - のん!さん» ありがとうございますー!!更新頑張ります! (2021年1月29日 20時) (レス) id: a864d91887 (このIDを非表示/違反報告)
のん! - 初コメ失礼します!とっても面白いです!更新楽しみしています!頑張ってください (2021年1月26日 8時) (レス) id: 8e054f2938 (このIDを非表示/違反報告)
かしや(プロフ) - るいやで。いぇあ。さん» ありがとうございます〜!!!更新頑張ります! (2021年1月23日 0時) (レス) id: a864d91887 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:かしや | 作成日時:2021年1月20日 20時

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