これ､いわゆる『負けヒロイン』ってやつですか？[２]【ツイステ】

step57 ページ13

・






「＿＿＿＿＿」






すぅ＿と静かな寝息を立てるAの寝顔を、じっと見つめる。






ゴーストたちも寝静まる、深い深い夜






時々、こんな風にAの部屋を訪れていることを彼女が知ったら、どう思うだろうか。






ユウ「(気持ち悪いよね、普通)」






でも、心のどこかで






彼女なら許してくれるんじゃないか＿なんて思ってしまう自分も居て






ユウ「(どうしようもないなぁ…私)」






自覚しているはずなのに、Aに触れようと伸ばした手を止めることはできなくて






『好きな人とか、いたり…する？』






ふと、先刻のAの言葉が脳裏によぎる






なぜ急にそんな質問をしたのか、分からないけれど






ユウ「(言えるわけ、ないよ)」






そっとAの頬に触れ、その白い肌を優しく撫でる。






月明かりに照らされて眠る彼女の姿は






まるでおとぎ話のお姫様のようで






ユウ「私、男の子だったらなぁ…」





王子様になることを夢見る少女の小さな呟きは

誰に知られることもなく、儚く消えた＿＿＿。





・

step58→←step56

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す