2 刀と呼吸 ページ3
「おはよう
今日も一日心を清らかに己に勝つを胸に過ごそう
そして弱きものを救いなさい
それが強きものの運命だ
忘れないように……
それでは朝餉をいただく前に 集中」
父上の挨拶が終わると全員で息を整える
白榊家では毎朝このように呼吸を合わせる
これを常に行えるように訓練し10になる頃には
無意識でもできるようになっていた
今では8つの杏子のために家族全員で行なっている
なぜこのような事をするのか父上に聞いても
白榊家の伝統であり
これは私たちを救ってくれるものだ
と詳細は教えてもらえなかった
だがこの呼吸をすると止血が早くできたり
動作を素早く行うことができたし
なにより血液が身体中をギュンっと行き渡っている
感覚が私には心地よかった
呼吸の他に受け継がれ守られてきたものがある
それは刀だ
父曰く私たちの祖先を悪しき者から救った青年がいた
悪しき者を打ち倒したはいいが闘いの傷は深く
必死の看病も虚しくその青年は亡くなった
形見としてその刀を受け取った ということだ
その青年と祖先がどういった関わりがあったのか
悪しき者とはいったい何なのか
疑問はあったがこれも詳しくは教えてもらえなかった
だがその刀を見ていると
祖先を守ってくれた青年の力強い念を感じるのか
私自身も強い人間になれるような特別な気がして
父の役割である刀の手入れの仕事を譲ってもらい
毎日眺めるほどその刀には愛着があった
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白(プロフ) - 。さん» 知らない間に触ってしまってたみたいです。外しました。ご指摘ありがとうございます。 (2019年11月10日 16時) (レス) id: ff756304d3 (このIDを非表示/違反報告)
。 - ルールを確認して下さい。そしてオリジナルフラグを外して下さい。違反になります。 (2019年11月10日 14時) (レス) id: b6262af8c5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:白 | 作成日時:2019年11月10日 14時