【忍たま乱太郎】咲き誇る華達 (ページ5)

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三話目五年生のお世話係一ページ5

勘＞次これ！！

雪＞これは？

勘＞今街で一番人気のある饅頭！！
朝一で並ばないと買えないくらい人気なんだよ！

五年生の尾浜勘右衛門とお世話係の雪は、勘右衛門の部屋にて甘味物を食べていた。
勘右衛門同様雪も甘味が好きだし、その顔は皆を笑顔に出来ると言われているくらい幸せだと言われていて、それは勘右衛門も例外ではなかった。

勘＞さっ、食べようよ！

雪＞ですね。

いただきます、と言って饅頭を一つ取り口に運ぶ。
その顔をじっと見つめている勘右衛門と、全く気にせず口に頬張ってから少しして、緩んだその顔と周りに花でも咲きそうなくらい幸せそうな空気を出す雪に勘右衛門も嬉しそうだった。

雪は確かに普通に話していれば壁があるように感じるし、長話も出来ないくらい言葉が率直で淡々とかえって来て、むしろ相手が引くこともある。

それでも、感情が正直と思うとそれは雪のいい所。
この笑顔もまさにそう、雪のいい所は近くにいれば沢山見られる。

だから…

兵＞あっ、こんな所にいたのか。

お豆腐大好きな久々知兵助も、片手に豆腐の乗った皿を持ちやってきた。
新しい豆腐を作ったのだろう、嬉しそうに部屋に入ってきた。

兵＞雪！新しい豆腐を作ったんだ！今度は前よりも滑らかさを意識してみたんだ！
早速食べてみてくれないかい？

そう言って兵助が橋を持ち、一口に豆腐を切って彼女の口にそれを持っていった。
兵助は成績優秀で文武両道、くノ一からもモテるくらい人気。普通なら意識してしまうのに…雪はそうはいかない。普通にそれを食べて、何回か噛むとやはりこれもそう。先程同様の幸せそうな笑みを浮かべている。

兵＞どうだ？

雪＞…前の味と、今回の滑らかさが合わさったら…もっといい物になるかもしれませんね。
もちろん、今回のも美味しいと思います。
もう一口貰ってもいいですか？

兵＞ああ！どんどん食べて感想を言ってくれ！

勘＞兵助ー！雪は今口に饅頭も入れてたんだぞ！
俺も感想聞きたかったのにー！

雪＞大丈夫ですよ、饅頭は飲み込んでからお豆腐を頂きましたから。
このお饅頭、普通のあんこよりも甘いんですね。
それなのに皮は甘すぎず…これは、柚でしょうか？
さっぱりしてますし、どことなく桜の香りもしました。

とても美味しかったです。

やっぱり笑った顔が幸せにするのは嘘じゃない。
勘右衛門も兵助も嬉しくなっているのは間違いないのだから。