三十話目 五人の思い ページ33
兵>勘右衛門、俺らだろ?
雪をもう泣かせない、苦しませない為に…俺達がやる事は決まったな。
三>…あの時雷蔵が殺されていたら、確かに私は雪を死ぬまで追って自分の手で殺めようとしたはずだ。
だが、あの時あんな顔見せられたら…誰だって思うさ。
お前の本心を知りたいと。
お前は嘘をついていない。なら、兵助の言う通りだ。
雷>僕も二人と同じだよ。
最初から雪を信じたかったのに、本当にそれでいいのかなんて思っちゃったけど…違うよね。
僕と三郎は君と戦って、君をもっと知りたいって思えた。
八>俺達、雪の心からの笑顔が見たいんだ。
その為には、今この状況をどうにかする。
…先生、先輩達、四年生達。それと同級生。
俺らは、こいつの為に出来る事をしたいんです。
雪と一緒にいた俺達だから、雪のために動きます。
兵>学園を裏切るつもりはありません。
でも、他に策を考えたい。
彼女を傷つけない…そして、あの二人を助ける方法を。
雪が五人を見ながら、驚きを隠せなかった。
彼女だけじゃなく、今回事件を起こした二人も含めて助けるなんて、虫が良すぎる。
それなのに、言葉に迷いはない。
やってやるという意志と、眩しさがある。
学園長>…ヘムヘム、手枷と足鎖を外しなさい。
ヘムヘム>ヘムッ!
ヘムヘムがやってきて雪の手枷と足鎖をすぐ様外し回収をした。
ここまできて、やはり全員が認めるわけではない。
一人六年生が立ち上がり五人の前に立った。
六年二>ふざけるな!!殺されたあいつはどうなる!?善法寺も、平も誰も救われはしないじゃないか!!
こいつが殺す事に躊躇いがあっても、あいつらは違うだろ!!実際にそれをやったんだ!!
土>…その事で。この場で報告したいことがある。
土井先生が急に口を開いて立ち上がった。全員の前に出ると持っていた巻物を開きそれを見ながら話を始めた。
土>亡くなった生徒の近くには藤の花があった。
そして…負傷した善法寺伊作の近くにも同じく藤の花があった。
ここまでくると、その二つは華音が仕掛けたと思われる。
亡くなった生徒の遺体を解体したが…そこには鉛が混ざっていた。しかし、そこには加えて刺傷があった。
傷は急所の一箇所のみ、その部分だけしか見られなかった。
つまり、彼は一度鉄砲で撃たれたところと同じ箇所に攻撃された。
殺された生徒には、複数人の暗殺が図られたという事だ。
雪>…え?
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作者名:霜月 | 作成日時:2020年3月6日 0時