二十三話目 逃げた暗殺者の行方 ページ25
田>…そっちにいたか!?
浜>駄目だ、いなかった…。
喜>逃げられたみたいだね。
学園内を捜索していた四年生達は自身達のお世話係を探していた。
数刻前、タカ丸の悲鳴に気づいた四年生達はすぐにそこへ向かうと、血まみれで倒れていた滝夜叉丸を発見した。
すぐに保健室へと連れていった矢先…そこにはもう一つの悲劇が起こっていた。
六年生達と先生方が集まっていて、四年生達に気づいた山田先生がすぐ様別部屋へと案内した。
四年生達にも今は滝夜叉丸の事で精一杯だったから、保健室で起こった事が眼にも入らなかった。
でも、滝夜叉丸の治療が始まってから間もなくして六年生達もやってきた。
小>…滝夜叉丸がやられたと聞いた。
小平太は滝夜叉丸と同じ体育委員会。
六年生達の中でも一番気にするのはわかっていた。
いつもよりも冷静で、音が一つ低くなったその声、そして小平太のその言葉があまりにも受け入れきれない現実だった。
田>…すいません、私達が気づくのが遅いばかりに…。
仙>先生方は何とおっしゃっていた。
喜>まだわからないそうです。
ただ、助かるかは本人の体力と精神力次第と。
喜八郎の言葉に皆黙ってしまった。
そして、やっと気づいた…伊作と留三郎がいない事に。
田>…あの、は組のお二人は…。
三木ヱ門の質問に誰も答えない。
答えないということが何を意味するのかわかってしまった。
滝夜叉丸の身に起こったように、彼らもまた同じ事が起こったとすれば。
浜>食満先輩は…伊作先輩は無事なのですか!?
先輩方!!
文>…伊作がやられた。
田>!!そんな…。
長>…心配ない、すぐに見つけた新野先生が治療している。留三郎も一緒だ。
もそもそと小声で言いながら三木ヱ門の肩を優しく叩く姿は落ち着いているように見えたけど、他の六年生達の姿を見ると、まだ安心は出来なかった。
こうして生徒が次々に襲われて、その内の最初の一人は殺された。
何が起こっていて、どうしてこうなったのか。
そして、先程長屋の一部で起こった爆発と火事。
すぐに近くにいた五年生達の消火作業のお陰で被害が広がることはなく、その場だけで済む事が出来た。
この一連の事全てにおいて関係している者達。
その彼女達の捜索が始まった。
五年生のお世話係をしてきた、彼女を除いて。
田>くそっ…何故…何故なんだ…!!
何故蓮花が、滝夜叉丸を…!!
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作者名:霜月 | 作成日時:2020年3月6日 0時