人生三度目の転生先はBORUTOの世界でした【アカデミー編】

第3話 ページ5

月日とは早いもので、もうアカデミー入学して1年経った。
なんでも入学して1年の時は、アカデミーになれるためのものやチャクラのこと、まぁ所謂基礎中の基礎を教えられていた。
特に変わったことも無く過ごしていたが、チャクラコントロールはできるようになった。意地で。
アカデミー2年目になってくると、皆それぞれ目標を考えるようになる。
火影を目指すとか、忍として歴史に名を残したいとかまぁ、夢は大きい方がいいからなんも言わないけど。

『明日目標を発表する』

なんて先程言われたけど、特に決まってないしどうしようかと屋上で寝転がり空を眺めながら考える。
普段空いてないんだけど閉め忘れたのか授業で使ったのか開けっ放しだったから勝手に侵入した。
昼休憩中だし誰かいるもんだと思ったけど、案外いないもんだった。
本当はダメなんだけどさ。まぁ、校則って破るためのもんだしいっかな。

｢やばいなぁ、本当にどうしよう｣

アカデミーに入りたいと駄々をこねたけど、特に何かをやりたいわけじゃなかった。
せっかくいるんだから忍になろうとかいう軽いノリからだった。
だからいざ目標を決めろって言われても無茶にも程がある。
深く溜息をつきながら、起き上がり木の葉を見つめる。
NARUTO時代にはなかったビルやハンバーガーに、人生一度目のことを思い出す。
高層ビルばかりで、窮屈だと思ったこともあるその場所は今では懐かしい思い出となっている。
でも所詮は思い出の中のもの。思い出さなければ忘れてしまうもの。
人は声から徐々に忘れていく……私もその1人ではあるのだ。

｢忘れたくないなぁ……｣

どんなに辛いことがあっても大切な友人がいた。大事な思い出だって詰まった場所だ。
忘れたくないなら何をすればいいんだろう……。
私は別に絵が得意な訳では無いし、強いていえば人生一度目でオタクすぎてコミケで小説販売してたくらいか……？

｢！ そうだ！ それだよ！｣

小説。そうだ、その手があった。
絵が描けないから文にいって、それなりに人気がでるくらいの表現力はあるし文才もあると思う。
忘れるなら書けばいい。私の思い出を小説にすればいい。
私は慌てて屋上から去り図書室に行き、ノートに書き始めた。
パソコンは忍になってから自分のお金で買おう。
その前にノートに書くことだって出来る。
ノート1冊を使い切る勢いで頭をフル回転させた。

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