人生三度目の転生先はBORUTOの世界でした【アカデミー編】

第32話 ページ34

｢もう一度同じ道を歩こう｣

私がそう言った途端、パニックになってたボルトが｢は！？｣と声を荒らげた。
まぁ、戸惑うのも無理はない。同じところを歩いているだけだから。

｢大人達が助けに｣
｢無理よ｣
｢なんでだよ！｣
｢なんでも｣

つなぎ目を見つけて刃物で斬ればいいだけの話だが、つなぎ目を見つけられても私のチャクラがないとつなぎ目を斬ることは不可能。
めんどくさいことこの上ないのだが、こればかりは仕方ないのだ。
大人達の助けを待ってる間にもつなぎ目の場所は変わってしまうし、仮に7代目達が現れたとしてこちらに入ってきてしまったら、人数が増えただけで同じことの繰り返しになる。
そんなめんどくさいことはゴメンだ。

｢A、なんかあんのか？｣
｢つなぎ目をみんなで見つけて欲しい｣

カードのことを知っているシカダイは、カードの精霊のせいだということに気がついたのだろう。
シカダイの問いかけに頷き、シカダイの目を見つめたあとボルト達に話しかける。

｢つなぎ目？｣
｢そんなの見つけてどうすんだってばさ！｣
｢そのつなぎ目が同じところを歩き続ける原因だからよ｣

私がそう言うと今まで黙っていたいのじんが口を開いた。

｢仮にそうだとして、なんでAがそのことを知ってるの？｣

勘のいいガキは嫌いだと言いたくなったのを耐える。
もっともな質問ではあるが、私が1番答えるのに困る質問であるのも確かだ。
さすが、サイといのの息子だけある。
まぁ、ね。
確かに普通ならパニックになる所を冷静に。まるで、答えを知っているかのように言うのだから、そりゃぁ怪しいのだろう。

｢……ループ｣
｢え……？｣

なんて言ったらいいか戸惑っていると、ポツリとシカダイが言葉を零した。
私を含めた全員がシカダイを見る中、シカダイは気にせず話を続ける。

｢同じところを歩き続けてるなら、どこかにつなぎ目があるって考えても可笑しくねーだろ。つなぎ目を見つけずにここに留まるなんてーのは、俺は嫌だ｣

シカダイがさり気なくフォローをしてくれたおかげで、いのじんが押し黙る結果となった。
シカダイの頭がいいのはみんなが知ってることだし、そんなシカダイが言うのなら信用度も高いだろう。
さっき仲良く(？)なったばかりの私と違って、シカダイの方が何年も一緒にいるんだから当たり前だ。

｢と、とりあえずつなぎ目を探そっか！｣

しんと静まり返り、少し重たい空気にサラダの声が響き、再び同じ道を歩き出した。

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