人生三度目の転生先はBORUTOの世界でした【アカデミー編】

第27話 ページ29

頭上からシカダイの深いため息が聞こえてくる。
今までの経緯を説明した結果で仕方ないといえば仕方ない。
何せ、バスタオルのままで寝てたんだから。

｢ちょっと待ってろ｣

突然そう言い残して、シカダイはどこかに行った。
テーブルにいるだけまだマシだが、降りてたら音がうるさくて大変だったろうなぁ……。
なんて考えてるうちに、シカダイが親指サイズの服を持ってきた。

｢俺の叔父さんが昔置いてったやつ｣
｢ふぅん……｣

カンクロウか。アイツ相変わらず手先器用だなぁ。
とりあえずシカダイから渡された服を着てみる。
ピッタリとまではいかないが着れないことは無い。

｢大丈夫そうだな｣

着た服を確認して見てみると、着物のようになっているのだが、下が短パンという構造になっていて動きやすくなっている。
至ってシンプルだが普通にというか割と好きだ。
シカダイに向き直り、事の発端であるこのカードのことを簡単に説明する。
まぁ触れたら元に戻るっていうことだけ。

｢なるほど｣
｢それから、やってもらいたいことが2つある｣

まずは私の家に向かい私の部屋に入り込み、ネックレスをとってもらうこと。
それから、リトルを見つけたら私をリトルの方に投げ飛ばすこと。
それら2つを説明するとシカダイが眉間にシワを寄せた。

｢さらに補足すると、私の部屋に入る際には何かあってもいいように私に変化すること｣
｢…………わかった｣

変化することについては何ら問題は無いようだが、シカダイは投げ飛ばすことに不服を申立てたいのだろう。
しかし、リトルニシカダイが触ってしまえば元も子もない。それが仮にわざとじゃなかったとしてもだ。
そのためにもシカダイには投げてもらうしかない。

｢お願い｣
｢いいけど｣

ぶっきらぼうに言いながら、私を優しく持ち上げ奈良家から出ていく。
奈良家からの家の行き方を知らないのだがシカダイが、昨日私を家まで送ったので、忘れてる訳もなく普通に歩いていく。
ふとした瞬間に風が吹くと、空いてる手で私を風から守ってくれる。

｢優しいな｣
｢飛ばされちゃ面倒だしな｣
｢それもそうだ｣

暫く進むと、私の家が見えてきてシカダイが私に変化する。
母に見つかると厄介なので、私の部屋にそのまま直行するように、自室を指指す。

｢いいのか？｣
｢ん｣

不用心と言いだけな顔をしてるシカダイには悪いとは思うが、開きっぱなしだしバレる心配は少ない。
その意図を察したシカダイが呆れながらベランダに飛び乗った。

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