第36話 ページ38
ムッスと大きな膨れっ面をしているシカダイに私は顔をひきつらせた。
事の発端は、先日の無茶振りにあった。
曰く、あの後ボルトやテマリさんにからかわれたらしく、負けず嫌いなシカダイが私に授業の組手で挑んだのだが、両者譲らぬ結果となり引き分け。
それだけならまだ良かったのだが、猪鹿蝶の修行に出ないシカダイを挑発し、猪鹿蝶の修行に行かせ、はっと思った時に乗せられたことに気づき膨れっ面なのだ。
なかなかに可愛い所あるよねと呟いてしまったのがトドメだったらしい。
「シ、シカダイくん?」
「あ?」
わぁ、どこのヤクザだろう。と思ったのは心の内に隠しておこう。
変に刺激すると後で大変なことになるのは、目に見えてわかっている。
この不機嫌なシカダイくんをどうしようと悩んでいると、何かを思い出したのかシカダイが自ら口を開いた。
「なぁ」
「はい?」
「俺の家に開かずの部屋があるんだけど」
「……は?」
唐突に言われた言葉に、思わずそう返してしまったのは仕方ない。
シカダイの話を詳しく聞くと、その部屋を母であるテマリさんが久しぶりに開けようとしたところ、鍵がナニカに弾かれてしまったらしい。
試しにシカマルさんやシカダイにも開けてもらおうとしたが弾かれて、しまいには忍術まで効かないときた。
「もしかして……と思ってな」
「んー……」
「気の所為ならいいんだけど」
シカダイの言うことに気配を確認してみると、奈良家の方からクロウカードの気配がした。
もしかしたら、そこにはテマリさんの大事なものが入ってるのでは? という疑問をぶつけると、シカダイはゆっくりと頷いた。
「となると、あのカードか……」
「あのカード?」
「封印したら教える」
怪訝そうに私を見つめるシカダイに、先程の膨れっ面はどこに行ったのだろうと思いながらシカダイに告げる。
「今週の土曜日。アンタの家行くから」
「は?」
「予定空けといてね」
「は!?」
有無は言わせないという意味合いを込めて、微笑むとしゅんとシカダイが大人しくなった。
なんかシカダイって猫みたいだよな……と思ったのも私の秘密だ。
とりあえず、土曜日のことを忘れないように頭に入れておかなければ。
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清水ファンタジア(プロフ) - CCさん» 応援ありがとうございます。亀更新ではありますが頑張らせていただきます! (2021年7月8日 0時) (レス) id: a394ff5f98 (このIDを非表示/違反報告)
CC(プロフ) - 更新待ってました! ありがとうございます!!続きも楽しみにしています!頑張ってください! (2021年7月8日 0時) (レス) id: 8f9bdc23ee (このIDを非表示/違反報告)
清水ファンタジア(プロフ) - 三色弁当さん» BORUTOもそうですが、好きな話を沢山書いて練習していくといいと思います。人に見せてこそのものなので、BORUTOも頑張ってください (2020年12月18日 19時) (レス) id: a394ff5f98 (このIDを非表示/違反報告)
三色弁当 - 清水ファンタジアさん» 勇気の言葉ありがとうございます泣 NARUTOは軽くですが知ってるのですが次の世代のBORUTOを書いてるんですがそれをコツコツ書けばたくさんの方に呼んで貰えますかね、、? (2020年12月18日 16時) (レス) id: 02492f2e0b (このIDを非表示/違反報告)
清水ファンタジア(プロフ) - 三色弁当さん» 私も最初は全然上手くなかったんですけど、コツコツ書いていけば、ちゃん読んでくれる人が現れるので大丈夫ですよ! 最初はなかなか苦戦するかもしれないですが…… (2020年12月18日 16時) (レス) id: a394ff5f98 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:清水ファンタジア | 作成日時:2020年10月6日 13時