Episode41. ページ43
『……お前が、太一が嫌な思いをするかもしれねぇぞ。』
「俺はAクンの親友ッスよ?舐めてもらっちゃ困るッス。」
最初はびっくりしたように目を丸くしていたが、直ぐに堂々とした態度になって胸を張る。
何でそんなに胸を張れるのか不思議でくすりと笑を零し太一に背を向ける。戸惑う声が聞こえるが顔だけ振り向いて声を掛ける。
『俺の親友はそっとやちょっとのことで傷つかないんだろ?だったら早く俺の部屋で会議すんぞ。』
「っ、うん!」
嬉しそうに俺の後ろで忙しなく動く太一はやっぱり犬だ。さっきまでの態度が嘘みたいだ。
「何笑ってるんスか?」
『別に。お前といると飽きねぇなって思っただけだよ。』
頭にはてなが浮かんでるのがありありと見える。そんな話をしていると俺の部屋に着き、太一にGOD座とのことを話す。
「レニさんがそんなことを…。でも技術を盗んで使ってるなんて勝手過ぎるッス!」
『多少自己流に変えてはいるがGOD座と似てるのも否めない。そこでだ、さっき聞いた鹿島雄三に技術を教えてもらいたいと思ってる。独学なんてたかが知れてるからな。』
出来ると思うか、と聞くと太一は腕を組んで唸りながら答える。
「俺っち達は演技指導しか受けてないから分かんないけど、聞いてみるに越したことはないと思うッス。監督先生か支配人に言えば連絡は取ってもらえると思うッスよ。」
監督サンに聞くのは論外だ。絶対全員に情報が行き渡るだろう。となると支配人だが…。
『支配人に口止め出来ると思うか?』
「……無理ッスね。俺っちが言えたことじゃないけど絶対無意識に話してるッス。」
『だよなぁ。でもどっちかしか無い。』
監督サンに聞いたらその場ではぐらかせても鹿島雄三が指導しに来た時に俺の事を聞くだろう。
一方で支配人に聞いたらポロッと劇団員の前で言ってしまう確率が高い。
『くそ、どっちも最悪過ぎんだろ。』
頭を掻きながら太一と相談し続けるも結論は出ないまま夜が更けていった。
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クスノハ(プロフ) - 、さん» すみません、先程外しました。ご指摘ありがとうございます。 (2020年5月15日 22時) (レス) id: 3f1925c91d (このIDを非表示/違反報告)
、 - オリジナルフラグをちゃんと外して下さい (2020年5月15日 21時) (レス) id: cab98899f4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:クスノハ | 作成日時:2020年5月14日 3時