Episode40. ページ42
ぼーっとしていてあまり内容は頭に入ってこなかったが、こいつらを巻き込む訳にはいかない。
「…あぁ、今回の舞台を超える程の効果を思いつくのか少し不安になってな。」
顔を見られないよう頭をぐりぐりと押しながら嘘をつく。佐久間なら騙せるだろう。
「うわっ!きっとAくんなら大丈夫だよ。一緒に頑張ろうね。」
「あぁ。」
そのままバレる事無く寮に帰り、部屋のベッドに寝転がる。
『…GOD座にはなかった新しい特殊効果が出来るようになれば訴えられることはない、のか?』
そうと決まれば早速取り入れなければ。パソコンを開き学べる場所を探す。最短で学ぶにしても高校を卒業してからになる所が殆どだ。
『くそっ、それじゃあ遅すぎるんだよ…。』
高校卒業なんて待っていられない。…待てよ、確かここの劇団を再結成してから演劇指導してもらってると言っていたな。俺はまだ会ったことは無いが上手く行けば…。
部屋を出て監督サンが居るであろう談話室へ急ぐ。ドアを開けると太一しか居なかった。
『監督サンは?居ねぇの?』
「監督先生なら少し前に寝るって部屋に戻ったッスよ。」
少し遅かったか…。だが太一も教えてもらったなら多少なりとも情報はあるだろう。
『なぁ、この劇団に演劇指導してる奴いるだろ?そいつについて教えてくれ。』
「雄三サンのことッスか?うーん、厳しいッスけど褒める時は褒めてくれて左京にぃみたいにヤクザみたいな人ッス!」
『…そういうことを聞きたかったんじゃない。』
聞きたいことを明確にして質問すると他劇団で演出家をしつつこの劇団の演劇指導もしていることが分かった。
『演出家か。…特殊効果もいけるかもしれねぇな。』
「何でそんなこと聞くんスか?」
会ったこともない奴について沢山聞けば不思議がられるのも当然か。太一に話すべきか?いや、GOD座とのいざこざだ。話すべきでは無いだろう。
『…別に。』
そう言うと太一は目尻を下げて悲しそうな顔をした。
「Aクンはいつも1人で抱えすぎッス。…俺も苦しかった時臣クンに支えられて乗り越えられた。だから、今度は俺が支える番なんだ!」
悲しい顔をしたかと思えば何かを強く決心したように力強い目をして俺を見つめる。
「俺に話せないことなら臣クンでも監督先生でも話しやすい人でいい。一緒に解決しようよ…!」
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クスノハ(プロフ) - 、さん» すみません、先程外しました。ご指摘ありがとうございます。 (2020年5月15日 22時) (レス) id: 3f1925c91d (このIDを非表示/違反報告)
、 - オリジナルフラグをちゃんと外して下さい (2020年5月15日 21時) (レス) id: cab98899f4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:クスノハ | 作成日時:2020年5月14日 3時