Episode37. ページ39
いつからか、こいつらと過ごすだけじゃなくて一緒に舞台を作りあげることも楽しいと思うようになっていた。
けどプライドが邪魔して受け入れられていなかったが、今日やっと受け入れることが出来た。そうだ、こいつらをより輝かせられるのは俺しかいない。
『散々迷惑掛けて烏滸がましいとは思うが、もう一度だけ、俺にチャンスをくれないか。』
頼む、と頭を下げる。
「Aくん、頭を上げて。」
ゆっくりと頭を上げ、監督サンと目を合わせる。若干諦めながら見ていると監督サンは条件があると言って指を2つ立てた。
「1つは無駄に喧嘩をしないこと。もう1つはこれからもMANKAIカンパニーの一員であることです。」
その条件に思わず目を見開いてしまう。最初に会った時からどこまでもお人好しだ。勿論断るはずもなく、その条件を飲む。
「取り敢えず帰ったら左京さんとお説教しますからね!」
その言葉通り2時間程(主に古市サンが)説教をされた。その際に七尾とちゃんと話せと言われて中庭に連れ出され、七尾と2人きりにされた。
「あの…えっと…。」
『悪かった。』
七尾が困ったように言葉を言おうとしていたが無視して頭を下げる。
『七尾の話最後まで聞かないで勝手に解釈してここの奴らにも迷惑掛けたし、お前には謝っても許して貰えないとは思うがせめて謝罪は受け取って欲しい。』
「ちょっ、頭上げてくださいッス!…最初に疑うような言い方をした俺も悪かったんだよ。だから、お相子ッス!!」
そう言って笑顔で手を出す。
「仲直りの握手ッス!」
『…ありがとう。これからも宜しくな、太一。』
名前を呼ぶと犬みたいにはしゃいで騒ぎ出す。それから暫くの間、俺たちの間にあった壁を壊すように沢山の話をした。
「まさかこんなに打ち解けられるとは驚きッス!もう俺っち達親友ッスね!!」
親友、か。初めての響きにむず痒い感覚だ。ニヤけそうになる顔を必死に抑えるも、思わず笑ってしまいながら太一の頭に手を乗せて力を入れる。
『ばーか。犬のくせに何言ってんだ。』
「…Aクンの笑顔なんて珍しいッス!って犬!?酷いッス〜!!」
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クスノハ(プロフ) - 、さん» すみません、先程外しました。ご指摘ありがとうございます。 (2020年5月15日 22時) (レス) id: 3f1925c91d (このIDを非表示/違反報告)
、 - オリジナルフラグをちゃんと外して下さい (2020年5月15日 21時) (レス) id: cab98899f4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:クスノハ | 作成日時:2020年5月14日 3時