Episode34. ページ36
寮に着き真っ直ぐ自室へ向かう。扉を閉めてやっと安心出来た気がし、扉に背を預けズルズルと座り込む。
無性に体を動かしたいがまたここに迷惑を掛ける訳にもいかない。ここに来てから殆ど吸っていなかった煙草に火を付けてしまう。
『…ふぅ。バレたら臣に怒られんだろうなぁ。』
1本吸って大分落ち着き、携帯でGOD座について調べ始める。
基本晴翔に聞いた事と同じだったが、晴翔の前のGOD座の1番手役者が高遠だったってのは驚いた。
高遠に神木坂レニについて聞くか?いや、俺が教えてもらっていた時に所属していたとは限らないから不信感を与えるだけだろう。
特に何の手掛かりもなく、携帯の電源を落とす。
若干イライラしながら談話室へ入ると七尾が近づいて来る。
「あ、あのAクン。ちょっと聞きたいことがあるんスけど…。」
話しずらいからとバルコニーへ連れて行かれる。
「…AクンはGOD座の団員、なんスか?」
『……は?』
凄い真剣な顔をしているからどんな話をされるのかと身構えていたが、どうしてそうなったんだ。
「今日、晴翔サンとカフェで楽しそうに話してるの見ちゃって…。」
『あぁ、あれか。…別に七尾が気にする事でもないだろ。』
話はそれだけか、と談話室へ戻ろうとした時七尾が自分がここに入ったばかりの時の話をし始めた。
「俺っち、元々GOD座にいたんスよ。でも主演はいつも丞サンで、真ん中に立ってみたかった。沢山のセリフを言いたかった。でも、俺っちじゃ無理だってレニさんに言われたんス。」
悔しそうな顔で話をしていたが、今度は泣きそうな顔をする。
「でもここのスパイとして入って、舞台を失敗させる事が出来れば主演にしてくれるって言われて幸チャンの衣装を切ったり、小道具を隠したり…最低な事ばっかしてたッス。」
『だから俺も妨害をする神木坂レニの手下じゃないかって疑ってんの?』
まだ話の途中だったがイライラしてた事もあって少し冷たく言葉を放つ。
「ちがっ!俺はただ…。」
『晴翔と一緒に居たらダメな訳?俺の交友関係にまで口出してくんな!…お前らに気を許してた俺が馬鹿だったよ。』
談話室に戻る気にもなれずそのまま外に出る。
迷惑をかけないようにと暫く喧嘩をしてなかったがもうどうでもいい。ガラの悪そうな奴らに片っ端から喧嘩を吹っ掛けていき、そのまま寮には帰らなかった。
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クスノハ(プロフ) - 、さん» すみません、先程外しました。ご指摘ありがとうございます。 (2020年5月15日 22時) (レス) id: 3f1925c91d (このIDを非表示/違反報告)
、 - オリジナルフラグをちゃんと外して下さい (2020年5月15日 21時) (レス) id: cab98899f4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:クスノハ | 作成日時:2020年5月14日 3時