検索窓
今日:4 hit、昨日:0 hit、合計:119,163 hit

自己嫌悪 ページ29

__「………っ!!」

目を覚ますとそこは見慣れた姉の家だった。

夢…見てたのかっ…あんな夢つ…なんで今更…

夢の中の声が脳内で再生される。その声に再び

吐き気がしてトイレへと駆け込んだ。


「………私が………悪いのか………」

よく良く考えてみればそうなのかもしれない。

私が現実から逃げていただけで、本当はそれが

事実なのだろうか。せっかく昨日食べたご飯も

台無しだ。あぁ…こんな自分が気持ちが悪い。

「私の周りは…不幸になる……」

お姉ちゃんが亡くなって…私も死ねば良かった。

そうすれば誰も不幸にはならなかったのかも。

「また…傷つけて…繰り返すだけなら…」

パーカーの左袖をまくり自分の腕を見つめた。

腕には茶色く汚れた傷跡。もう二度と消えるこ

とのないこの跡は…ある意味生きてることを実感

させられる。やめられないこの行為。きっとこ

れで…何もかも楽になれるとか思っているから。

「………もう……痛くもないや……」

カッターの刃なんて…人間の言葉の刃に比べたら

全然痛くも痒くもない。何となく落ち着くだけ。

赤黒いものが床へと零れる。いつからかこんな

ことをし始めたんだっけ…?それすらも思い出せ

ない。むしろこれが逃げ場になっている。

「ごめんね…お姉ちゃん…」

お姉ちゃんとの約束は…これだけが守れない。


『自分を傷つけるようなことしたらダメだよ?』


「お姉ちゃん…無理だよ…私っ……」

傷つけないと生きていけないの。誰かを頼るこ

とが怖いから。怯えてるから。人なんて所詮、

自分を守れればいいって思ってるやつがほとん

どだって…気づいてるの。痛いほど分かるの。

「私も…お姉ちゃんのところに行けばいい…?」

私がお姉ちゃんのところに行けば…お姉ちゃんと

また過ごせる…?あの日みたいに…一緒に…手を

繋いでくれる?抱きしめてくれる?また…

「お姉ちゃんと……生きていける…?」

私は夢中になって傷つけていた。夢中…というか

気づいたら床が真っ赤に染まってるくらい?っ

て言えばいいのかな…?私がいなくなったところ

で誰も悲しまない。私が生きていることで、こ

の世界の何億人の人が悲しむくらいなら…私が

消えて…その何億人の人が喜んでくれたほうが

むしろありがたい。そうか、そうだよ。

「……お姉ちゃん…今から逝くね?」

助けて→←消えてしまいたい。



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.8/10 (45 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
173人がお気に入り
設定タグ:SLH , アナタシア , 踊り手   
作品ジャンル:恋愛
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

海乃(プロフ) - まいさん» ほんとですよ。(姉) (2020年1月26日 11時) (レス) id: c74b58390f (このIDを非表示/違反報告)
まい(プロフ) - 海乃さん» こんな素敵な兄がほしかったです(一人っ子) (2020年1月26日 9時) (レス) id: bab06c7eda (このIDを非表示/違反報告)
海乃(プロフ) - いや、健くんが素敵すぎるんだ。 (2020年1月25日 22時) (レス) id: c74b58390f (このIDを非表示/違反報告)
まい(プロフ) - あひるの子さん» 3万hitいつの間に!?気づかせてくれてありがとうございます!りょーくんいいですよねぇ(私も推しなので)期待に応えられるよう頑張ります! (2020年1月19日 19時) (レス) id: bab06c7eda (このIDを非表示/違反報告)
あひるの子(プロフ) - コメ失礼します!3万hitおめでとうございます!お話のテンポが軽快で楽しく読ませていただいてます!「りょーちゃんコラボは私得」と、私も思いました(推しなので)。更新頑張ってください! (2020年1月19日 13時) (レス) id: 4dac028957 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:まい | 作成日時:2019年11月17日 18時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。