検索窓
今日:5 hit、昨日:0 hit、合計:119,164 hit

守りたい思い ページ11

芝健サイド

何年も前のお話。初めて彼女の妹に会った。

『踊り手仲間でもある芝健くんだよー!』

「初めましてー!」

彼女の裏に隠れていた背の低い女の子。

挨拶をすると、怖がるかのように逃げていった。

『…ごめんね?歳上の人が苦手でさ…』

「大丈夫!妹さん人見知りだったりするの?」

『えっと…その…』

彼女は少し困ったかのように下を向いた。

そして彼女から驚きの一言が出てきたのだ。

『健だから言えるけど…実は…妹じゃないの…』

「えっ…!!??それって…」

『…捨てられてたの。今以上にAが幼い頃、
真冬で雪が降ってる中裸足で歩いてて…』

さっきの子が…捨てられてた…?真冬に……?

『…死のうとしてた。だから連れてきたの、』

「そっ…か…」

彼女は優しいから。その彼女優しさがあの子を

救ったんだろうな。幼いのに…命を捨てるって…

『ねぇ…健。』

「…なに?」

『Aには言ってないけど…私、死ぬの。』

「………えっ……?待って、嘘…だよね…?」

彼女が死ぬ?病気を抱えていたことは知ってる。

でも…まだ若いのに死ぬ…?なんでっ……

『本当。Aはまた独りになっちゃう。だから健が守って。健だから守ってほしいの。』

「私が…?Aちゃんを…?」

『あの子は愛情を知らない。だから独りになれ
ば…あの時みたいに死のうとするかもしれない』

彼女から吐き出された言葉は、いつも以上に

重くて………。私が守らなければ…死ぬっ…?

『Aが何言われるか分からないの。私の親戚から…差別とか…最悪、虐待とかされる。そんなことが平気で出来ちゃうような人だから…』

涙ながらに語る彼女の背中を優しく撫でる。

『…健。Aを守って…?…約束。』

「…うん、分かった。約束。」

彼女のAちゃんを守りたいという思いも

私が全て守ろう。そう思えたこの日だった。

いつかは気づいてね?→←意外な2人



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.8/10 (45 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
173人がお気に入り
設定タグ:SLH , アナタシア , 踊り手   
作品ジャンル:恋愛
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

海乃(プロフ) - まいさん» ほんとですよ。(姉) (2020年1月26日 11時) (レス) id: c74b58390f (このIDを非表示/違反報告)
まい(プロフ) - 海乃さん» こんな素敵な兄がほしかったです(一人っ子) (2020年1月26日 9時) (レス) id: bab06c7eda (このIDを非表示/違反報告)
海乃(プロフ) - いや、健くんが素敵すぎるんだ。 (2020年1月25日 22時) (レス) id: c74b58390f (このIDを非表示/違反報告)
まい(プロフ) - あひるの子さん» 3万hitいつの間に!?気づかせてくれてありがとうございます!りょーくんいいですよねぇ(私も推しなので)期待に応えられるよう頑張ります! (2020年1月19日 19時) (レス) id: bab06c7eda (このIDを非表示/違反報告)
あひるの子(プロフ) - コメ失礼します!3万hitおめでとうございます!お話のテンポが軽快で楽しく読ませていただいてます!「りょーちゃんコラボは私得」と、私も思いました(推しなので)。更新頑張ってください! (2020年1月19日 13時) (レス) id: 4dac028957 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:まい | 作成日時:2019年11月17日 18時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。