じゅうに ページ12
今日は私が面談の日で、母と先生と三人で話し込んだ後に母は仕事に戻っていった。
殆どの生徒はそのまま保護者と帰宅する流れだろうが、私は残念ながら自分の足で大地を踏みしめて歩かねばならない。
「しかも超絶雨」
「気ぃつけて帰るやで」
「おん、ばいびー」
隣のクラスの友人は同じ部活の子と帰って行った。
さて、私も駄々を捏ねていないで帰るとしよう…と、傘を差して、パラパラと雨が降る外に出ようとしたその時だった。
「俺ら目的地一緒やんな?」
一緒に帰ろ。
「!!びっくりした!」
後ろから現れたのはまたしてもイケメン。昼休みぶりの宮治先輩であった。
急に現れた顔面偏差値100に心臓がドッドッと鳴り止まない。勘弁して。てゆかほんとに顔近い。勘弁して。
「先輩も同じ時間だったんですか」
「んや、メッチャ話し込まれてん」
「あとの人がかわいそうです」
「悪かったと思ってる」
そしてやはり、この人のお母さんは大変そうだとどうでもいいことをぼんやり考える。
再度ビニール傘を広げて歩き出そうとしてふと気づいた。この人、傘もってない。
私の見上げた視線に気がついた彼はにっこり笑った。うわっ、顔が天才。
「傘忘れたから入れて♡」
「………じゃあ、あげるので」
「は!?自分がずぶ濡れになってまで相合傘したくないん!?」
「いや、そうじゃなくて」
誰かに見られたら射殺もんなんですけど!
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作者名:- | 作成日時:2020年5月19日 15時