ご ページ5
「あっ」
ヒィーーー!!と声に出さなかっただけ褒めて欲しい。
ちょうど部屋を出たタイミングで、宮治先輩が何故か隣のお兄ちゃんの部屋から出てきた。
何故。リビングにいたんじゃ。
つーか気配なさすぎ!!!陽キャ(偏見)なのに!!もっとオーラ出してくれよお!!!!
「あっ、ええと、昨日はお菓子、ありがとうございました」
裏返った声を誤魔化しながらぺこりとお辞儀。
しかし彼は口に手を当てて私のことをじっと見ている。そりゃもう見ている。静止画みたいにじっと。
なっなな何かしましたっけ……??もしかして昨日やった窓拭きが足りてなかった……???すみませんでした……?????
「……角名の妹さん?」
「は、はい。角名です」
「へぇ……全然似てへんな」
知ってる。
私がブラコンと言われる所以は、兄の顔の良さと人気を知っていることにある。
妹の私が言うのもなんだが、兄は綺麗な顔をしている。つまり私には似てない。
よく言われるが、まあまあショックだ。
似てないわよ。私はどうせ兄の劣化版なんだから。
そういう意味で言った訳ではないだろうに。卑屈な考えばかりしている私に、宮治先輩は無表情で言った。
「あ、お菓子。こちらこそありがと」
「とんでもないです。ゆっくりしてって下さい」
早口で話し、もう一度部屋に引っ込む。
……水取りに行きたかったのに引っ込んでしまった。
それにしても、すっごいイケメンだった。
あれは学校中でモテるはずだ。あの顔でバレーも上手いそして双子。間違いなくモテる。
ちょっとだけチャラそうな印象だけど。そこも含めてモテる。
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作者名:- | 作成日時:2020年5月19日 15時