23.デートしませんか ページ23
「冷静に考えたらお姉ちゃん、俺らの一個上やんな」
「冷静に考えなくてもそうやろ」
「こないだの北さん事件みたいに、
俺らの知らんとこで同年代の男好きになるの耐えきれへんわ」
「……まぁ、せやな」
神妙な面持ちで侑が打ったサーブは、特大ホームランとなって壁に当たって跳ね返った。
＊＊＊
「ということで、お姉ちゃん」
「俺らとデートしませんか？」
ホットココアを抱える私の手を上から重ねるお二人。
キラキラした目で顔を覗き込まれて、思わず目を瞑った。
今日も私の弟は目に毒なくらい眩しい。
目に毒なくらいだけれど目に入れても痛くない。
「えーどういうわけで…？」
「ちょっとAちゃん俺らのイケメン具合に慣れてきたやん？」
「慣れてませんけど！？
今、可愛い顔にやられそうになったの見たでしょ！？」
「今度の休みデート行こって。
デートを経て俺らのかっこよさ思い出して欲しいねん」
相変わらず全然私の話を聞いていないのは置いといて。
何やら張り切っているご様子。デートするくらいならお安い御用なのに、わざわざおねだりするところが何とも愛らしい。
「そんなことしなくても2人がかっこよくて可愛いのなんて知ってる」
「ハァーーーン！！すぐそういう可愛いこと言う！」
ソファーから転げ落ちる二人。テンションが怖い。
今週の土日は両方空いてるよ、と言うと、物凄い形相でじゃんけんを始めた。
しばらくして治くんが立ち上がる。勝利のポーズだ。
「土曜は部活やから、日曜日空けといて。」
ふふ、と笑う彼に釣られて、私も笑った。
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作者名：- | 作成日時：2020年3月13日 22時
