1.引っ越ししましょう ページ1
幼なじみがいた。
幼なじみには弟がいた。
彼はえらく私に懐いて、可愛くて可愛くて仕方がなかった。
だからその時、下の子っていいなぁって思った。
弟が欲しかった。妹が欲しかった。
***
「えっ兵庫に!?引っ越す!?!?」
飲んでいたアイスティーを吹き出しそうになる。
母の提案はいつも突然で、場合によっては私が止めてあげないといけない。母は天然ボケなのだ。
しかし幸せそうに薬指を見せる彼女は、いつもより真剣そうな顔をしている。
「そう。プロポーズされたのよ」
「再婚するってこと?」
「うん」
「なんで!?今!?え、じゃあ高校は」
「転校よ」
「は、はぁッ!?」
さっき無理矢理飲み込んだアイスティーは今度は鼻から出そうだ。
私来年高3だよ……?このタイミングで転校?
ちょ、ちょっと卒業まで待ってくれても……良いのでは………????
「いやあのね、お母さんAが行けそうな大学見つけちゃったの」
「兵庫に?」
「そう」
「それも込みで引っ越そうって?」
「今のお友達のことを考えて、嫌ならやめるよ」
なるほど。突拍子もない提案ではないらしい。
向こうの人もお母さんも、私の意見が最終決断だと判断して待っていてくれたらしいのだ。
大学のことに困らないなら、まあいいか。
「うん、まあ…そこまで考えてくれるなら」
「…!!そう!じゃあ身支度整えておいてね」
「え、今?」
「新しいクラスでの自己紹介考えとくのよ」
「え、今???」
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作者名:- | 作成日時:2020年3月13日 22時