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犬*219話* ページ29

『・・・!思い出した・・・!』
「!!本当か!?」
『私・・・私は・・・・ミドリと契約してた・・・。しかもランマルを助ける為に・・・』


手が震える。

口に出す度に胃の辺りがグルグルと気持ち悪くなる。



嘘でもハッタリでもなかった。


私はランマルの為に契約してこのゲームに参加していた。

泣いてミドリに縋り付いていた。


『ど、どうしよう・・・サラちゃん・・・わ、私・・・・』
「A・・・!」


記憶を取り戻してから身体の震えが止まらない。

頭がガンガンと痛む。

手先が冷たく感じる。



_____________私の頭を支配しているのは、他の誰でもないランマル。


その事実が怖くて仕方がなくて、




だけど奥底から込み上げてくる『何か』に胸を高鳴らせている自分もいて。


『サラちゃん、私、ど・・・どうしたら、』
「落ち着けA!!」


サラちゃんが優しく私の背中を摩ってくれた。


・・・あれだけうるさかった鼓動が少しだけ収まった気がする。


「大丈夫・・・記憶が戻って混乱してるだけだ。みんなそうだった。何も不安に思うことはない」
『でも、でもサラちゃん・・・記憶が戻ったせいで私がみんなを裏切ったら・・・?ケイジさんを救いたい気持ちが消えてしまったら・・・?そうしたら私は本当に“あのAI”と同じに__________』
「A・・・!!」


理解してる。理解してるんだ。


何度も言い聞かせてる。何度も納得しようとしてる。


私は私だ。

記憶が戻っただけで人格が全く変わるなんてあり得るわけがない。

そんなことあっていいわけがない。



でも・・・じゃあ、この感情は何?


どうして私の頭はランマルでいっぱいになってる?

どうしてこんなにも苦しくなってる?


『・・・ごめんね、何度も。ちょっと頭冷やしてくるよ・・・』
「でも、」
『大丈夫。落ち着いたらすぐ合流するから』
「・・・・無理はしないでくれ。親友や好きな人を失う苦しみは理解できないが・・・それでも、友達としてAの力になりたい」


そういえば、ソウさんのせいでジョーに関する記憶が無くなってるんだったな。


『・・・ありがとう。私も迷惑かけるのは嫌だしね、無理はしないよ』
「そ、そういうことじゃ・・・あっ、A!!」


分かってるよ。

サラちゃんは本当に私のこと大事に思って言ってくれてるんだよね。



それでも・・・今はその好意を素直に受け入れられない。

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にこみうどん - っっっはぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!最高すぎるではないですか!どうしたらこんな最高な小説かけるんでしょう。最高ですね。更新頑張ってくださいね! (6月17日 17時) (レス) @page39 id: d8578c819c (このIDを非表示/違反報告)
暁月臨(プロフ) - この作品大好きです!!応援してます!頑張って下さい!! (6月13日 1時) (レス) @page39 id: 59dc159e7e (このIDを非表示/違反報告)
空白(プロフ) - とても素晴らしい作品ですー!!是非とも最後見たいので更新待ってますッッ (2023年4月1日 3時) (レス) @page37 id: adc5e1c6e8 (このIDを非表示/違反報告)
雫。(プロフ) - ここまで一気見してきました!とても面白かったです!更新待ってます! (2022年12月31日 22時) (レス) @page33 id: 221078456e (このIDを非表示/違反報告)
天弥(プロフ) - めっちゃ面白いです!無理しない程度に更新頑張ってください! (2022年4月24日 16時) (レス) id: 6363332534 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:みかづち | 作成日時:2021年8月18日 16時

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