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犬*218話* ページ28

『・・・は?』


ランマルが失踪した、という噂が広まったのは突然のことだった。

教師も生徒も・・・全員が彼の行方について話している。


「Aちゃんは何か知らない?ランマルと仲良かったでしょ?」
『・・・・』
「?Aちゃん?」
『・・・分かんないや。ごめんね?私も突然のことで何が何だか・・・』


無理矢理上げた口角が引き攣って痛い。
うまく笑えてる自信がない。


ランマル、どこ行っちゃったの?

どうして急にいなくなったの?



______________どうして私を置いて行ったの?


.



















.



「君、ランマルの友達?」


『それ』は突然やって来た。


『・・・誰?』
「僕は日和颯。何者かはこの際どうでもいいよね?君にとって大事なのは「ランマルが無事かどうか」なんだから!」
『・・・!ランマルがどこにいるか知ってるの・・・?本当?嘘とか冗談じゃない・・・?』
「もちろん。じゃなきゃわざわざ君の元に来たりしないよ」


私は咄嗟にそいつに縋り付いた。


きっと第三者から見れば、みっともなくて情けない姿なんだろう。


だけどそんなことどうだってよかった。

彼が・・・ランマルが無事だと分かるならそれだけで。


『ランマルは無事なの?怪我とかしてない!?』
「あはは。焦っちゃって〜」
『ランマルはどこにいるの!?ねぇ、教えて・・・!!』
「・・・・」


ミドリという奴は一瞬目を見開くとそのまま固まった。


まるで人形みたいに。


『・・・?な、何・・・?』
「______________君、可愛いね」
『・・・え?』


言葉の意味を聞くよりも先にミドリが私から少し離れる。


「ランマルは無事だよ。今はまだ、ね」
『何それ・・・ランマルは何に巻き込まれてるの・・・?』
「彼を救いたい?全てを知りたい?・・・本当にそれ相応の覚悟はある?」
『もちろん!お願いします・・・!ランマルの為なら何でもします・・・!だから、ランマルを助けてください・・・!!ランマルを救うためなら・・・・人殺しだってしますから・・・!!』
「・・・そっか!」


ミドリは満面の笑みを浮かべながら一枚の紙を取り出した。


一体どこから出したのだろう。
まるで手品師だ。


「この契約書にサインしてよ。そうしたらランマルと会わせてあげる!」
『契約書・・・』


内容なんて全く見てなかった。


だって・・・



それを書けば、ランマルを救えると信じて疑わなかったから。

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にこみうどん - っっっはぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!最高すぎるではないですか!どうしたらこんな最高な小説かけるんでしょう。最高ですね。更新頑張ってくださいね! (6月17日 17時) (レス) @page39 id: d8578c819c (このIDを非表示/違反報告)
暁月臨(プロフ) - この作品大好きです!!応援してます!頑張って下さい!! (6月13日 1時) (レス) @page39 id: 59dc159e7e (このIDを非表示/違反報告)
空白(プロフ) - とても素晴らしい作品ですー!!是非とも最後見たいので更新待ってますッッ (2023年4月1日 3時) (レス) @page37 id: adc5e1c6e8 (このIDを非表示/違反報告)
雫。(プロフ) - ここまで一気見してきました!とても面白かったです!更新待ってます! (2022年12月31日 22時) (レス) @page33 id: 221078456e (このIDを非表示/違反報告)
天弥(プロフ) - めっちゃ面白いです!無理しない程度に更新頑張ってください! (2022年4月24日 16時) (レス) id: 6363332534 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:みかづち | 作成日時:2021年8月18日 16時

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