犬＊２１０話＊ ページ20
『死なないで･･･！！ねぇ！死なないでよランマル！！！』
こんな感情知らない。
･･･いや、私は知ってるはず。ケイジさんが棺に閉じ込められた時もそうだったから。
でも違う。
ケイジさんの時とは比べものにならないくらいの恐怖。
生きる気力すら失いそうな、圧倒的な絶望。
脳が訴えてる。この人の死は自分にとって最悪なものだって。
「落ち着け！A！！」
ランマルが私の背中をそっと撫でる。
息が苦しくて必死に呼吸を繰り返すけど、それでも思考はまとまらない。
苦しい気持ちは消えない。
「俺ならここにいるだろ！？しっかりしろ！！」
『嫌だ･･･一人にしないで･･･！！』
勝手に口が動く。まるでそれが本音かのように。
『ランマルだけは･･･ずっと私の傍にいてくれるって言ったじゃん････！！置いて行かないでよ･･･私を一人にしないで････！ねぇ･･･！！！』
そんなこと言ってない。言った記憶なんてない。
なのに口は止まらなくて。
『恵梨香ちゃんがいなくなってっ･･･私の生きる希望は、意味は、ランマルだけなんだよ･･･！？なのに、なのに何で･･･！？どうしていなくなったの･･･！？』
「A！！」
“ランマルがどこにいるか知ってるの･･･？本当？嘘とか冗談じゃない･･･？ランマルは無事なの？怪我とかしてない！？”
“お願いします･･･！ランマルの為なら何でもします･･･！だから、ランマルを助けてください･･･！！ランマルを救うためなら････
人殺しだってしますから･･･！！”
知らない記憶が流れ込んでくる。
ミドリの顔が、言ってないはずの言葉が
頭がその光景で染められる。
････そして、納得してしまった。
だからミドリはケイジさんを裏切ると言ったのだと。
この私なら･･･記憶を失う前の私ならランマルの為に全員殺してる。
言葉通り、人殺しになってる。
でもどうして？
全部は思い出せない。ランマルのことも、何もかも。
「･･･ほら。･･･目を覚まして」
モニターからミドリの声が響く。
その声はいつもと違って何故か心地が良くて。
「う･･･」
「影山蘭丸くん･･･君は生き返ったんだよ」
「･･･生き･･･返った･･･？」
「そうさ･･･記憶はあるだろ？」
「･･･えっと、なんか･･･ぼんやりと･･･」
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にこみうどん - っっっはぁぁぁぁぁぁぁぁ！！！！！最高すぎるではないですか！どうしたらこんな最高な小説かけるんでしょう。最高ですね。更新頑張ってくださいね！ (6月17日 17時) (
レス) @page39 id: d8578c819c (このIDを非表示/違反報告)
暁月臨(プロフ) - この作品大好きです！！応援してます！頑張って下さい！！ (6月13日 1時) (レス) @page39 id: 59dc159e7e (このIDを非表示/違反報告)
空白(プロフ) - とても素晴らしい作品ですー！！是非とも最後見たいので更新待ってますｯｯ (2023年4月1日 3時) (レス) @page37 id: adc5e1c6e8 (このIDを非表示/違反報告)
雫。(プロフ) - ここまで一気見してきました！とても面白かったです！更新待ってます！ (2022年12月31日 22時) (レス) @page33 id: 221078456e (このIDを非表示/違反報告)
天弥(プロフ) - めっちゃ面白いです！無理しない程度に更新頑張ってください！ (2022年4月24日 16時) (レス) id: 6363332534 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：みかづち
| 作成日時：2021年8月18日 16時
