犬*173話* ページ31
ぐるぐる目の前が回る。
頭がガンガン痛む。
なにこれ。
何だこれ。
今、何が起きている?
「ふふ、相変わらずびっくりすると固まっちゃうのね」
『・・・・・・・・』
声も姿も仕草も、全部恵梨香ちゃんそのものだ。
「・・・A?喜んでくれないの?」
『・・・・・嬉しくないわけじゃないよ・・・。でも・・・その、受け入れがたくて・・・・・』
「まぁそうよね。私がAの立場でも同じことを思ってると思うわ」
死んだはずの親友とそっくりの人形が現れたなんて事実、誰が受け入れられる?
少なくとも私は未だに混乱している。
「じゃあペアはそこでよろしく!あ、そうだ。僕も自己紹介するよ」
フロアマスターは思い出したように手を叩いた。
「ヒヨリソウ。殺人鬼ヤブサメアリスに殺された可哀想な人形さ」
「・・・!」
「と言っても・・・ヒヨリソウは僕にとってもう過去の名前だね・・・。だってシンが大切に使ってくれてるんだもん。今更返せなんて言うつもりもないよっ!」
「・・・・・・・」
やっぱり・・・そうだったのか。
ソウさんの名前はこのフロアマスターから取ったんだ。
というか知り合いだったんだ・・・・?
「とにかく、呼び名が無いのは不便だよね。ねぇサラさん、君が代表して僕に新しい名前を付けてよ」
「・・・・じゃあ、ミドリで」
おそらく見た目で決めたであろう名前を口にするサラちゃん。
「ありがとう。素敵な名前をもらえて嬉しいよ!」
「それで?今回はどんなことをさせる気かなー・・・」
「あはは、待ちきれないよねー。安心して!すごく簡単なボーナスゲームだよ!」
ミドリは「ある標的を殺すだけのゲームさ」と笑った。
・・・・・その標的って・・・・・。
「ざけんな!殺すって誰を・・・!!」
「標的はシノギケイジ_____________なんて言ったら、Aが怒っちゃうか!」
『・・・・・・』
「A・・・!?」
ケイジさんの名前が出た瞬間、咄嗟にミドリのマフラーを掴んでいた。
上がりかけている右手は殴ろうとしていたのだろうか。
とにかく、無意識にミドリに攻撃する体制をとっていた。
「悲しいよ、A。君はいつからそんなに弱くなっちゃったの?誰かを愛したしたせいで弱くなるなんて勿体ない!」
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みかづち(プロフ) - あげなすびさん» コメントありがとうございます!自分のペースですが頑張って更新していくので応援よろしくお願いします・・・! (2021年8月18日 17時) (レス) id: 3d16d7b22a (このIDを非表示/違反報告)
あげなすび(プロフ) - 初コメ失礼します!前の作品も好きで見ていたのですが、コメントをしてなかったので...とっても面白いです!これからも頑張ってください!応援してます! (2021年8月17日 20時) (レス) id: b8f6c5074d (このIDを非表示/違反報告)
みかづち(プロフ) - のんさん» うわー!!!そう言っていただいてめちゃくちゃ嬉しいです・・・!ランマルの出番自体はまだ先になります(笑)これからもこの作品をよろしくお願いします! (2021年6月29日 17時) (レス) id: 3d16d7b22a (このIDを非表示/違反報告)
みかづち(プロフ) - おかかさん» 褒めていただきありがとうございます!!これからも応援よろしくお願いします! (2021年6月29日 17時) (レス) id: 3d16d7b22a (このIDを非表示/違反報告)
のん(プロフ) - キミガシネのお話は少ないので書いていただいてうれしいです!ソウさんもカッコいいしケイジさんもカッコいい!!しかもランマルまででてくるとは笑これからも更新頑張って下さい! (2021年6月29日 0時) (レス) id: ea154a0b9e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:みかづち | 作成日時:2021年6月16日 19時