犬＊１７１話＊ ページ29
「こらっ、正確にはご主人様でしょ？君達はサポートなんだから」
『ご、ご主人様って･･･一体どういうこと････！？』
「あはは、紹介するよ。彼らは人呼んでダミーズ。誰とも出会えずに死亡してしまった･･･悲しき犠牲者･･･さ」
『･････』
本当に最初の試練の犠牲者だったんだ････。
「A、そんな悲しそうな顔しないで？大丈夫！君とって胸を痛めるほどの価値はないから」
『は？何言って･･･！』
「･････A･････？」
今度は違う声が私の名前を呼んだ。
それはケイジさんでもサラちゃんでもない。
･････ダミーズの中から聞こえた。
『････え？』
驚いたように私をじっと見つめてくる男と目が合った。
･･････この人、確か････。
“お前、名前なんていうんだ？”
“いや･･･優しいんだな、お前って。噂とは全然違う”
“俺が守ってやる。卒業するまで･･･いや、卒業してからも俺がAを守る。それなら安心だろ？”
“良かった･･･俺は＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿
.
.
俺はランマル”
『･････ラン、マル･････？』
たった今思い出した。
あの髪型、髪色。
あの････大好きだった声。
「A･･･？A、だよな？そうだよな？」
『うん･･･！Aだよ、ランマル･････！！』
「っA！！」
ランマルは勢いよく私を抱きしめた。
前と変わらない大好きな匂いが鼻を掠めた。
「････心臓の音が聞こえる」
そう呟くランマルの声はどこか嬉しそうで。
「お前は･･･生きてるんだな････」
『････うん』
「ちゃんと生きてここまで来たんだな････良かった」
『っ、ランマル････』
さっき、フロアマスターはダミーズを人形だと言った。
本人は････死んでるって。
なら目の前のランマルは本物じゃない。
･････もう、死んでしまったんだ。
もう二度とあのランマルには会えないんだ。
そう思うと涙が溢れてくる。
「なっ･･･！？きゅ、急に泣くなよ･･･！」
『だっ･･･て、････ランマル、死んじゃっ････ひっく･･･うぅ････』
「号泣じゃねぇか！お、俺どうしたら･･･」
ランマルはおろおろしながらも抱きしめ続けてくれた。
だけど彼の温もりがないことに、更に涙が溢れた。
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みかづち(プロフ) - あげなすびさん» コメントありがとうございます！自分のペースですが頑張って更新していくので応援よろしくお願いします･･･！ (2021年8月18日 17時) (
レス) id: 3d16d7b22a (このIDを非表示/違反報告)
あげなすび(プロフ) - 初コメ失礼します！前の作品も好きで見ていたのですが、コメントをしてなかったので...とっても面白いです！これからも頑張ってください！応援してます！ (2021年8月17日 20時) (レス) id: b8f6c5074d (このIDを非表示/違反報告)
みかづち(プロフ) - のんさん» うわー！！！そう言っていただいてめちゃくちゃ嬉しいです・・・！ランマルの出番自体はまだ先になります（笑）これからもこの作品をよろしくお願いします！ (2021年6月29日 17時) (レス) id: 3d16d7b22a (このIDを非表示/違反報告)
みかづち(プロフ) - おかかさん» 褒めていただきありがとうございます！！これからも応援よろしくお願いします！ (2021年6月29日 17時) (レス) id: 3d16d7b22a (このIDを非表示/違反報告)
のん(プロフ) - キミガシネのお話は少ないので書いていただいてうれしいです！ソウさんもカッコいいしケイジさんもカッコいい！！しかもランマルまででてくるとは笑これからも更新頑張って下さい！ (2021年6月29日 0時) (レス) id: ea154a0b9e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：みかづち
| 作成日時：2021年6月16日 19時
