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出会い (名前)side ページ5

紅い空が地面に影を伸ばす


それは頼りなくて


自分勝手な自分の影


ふとため息をついた


男「よぉ ねぇちゃん。こんな時間にこんなとこうろうろしてちゃダメじゃねぇか」


何かする気満々の声が聞こえる


あぁ。これが私の最後か


最近この辺で通り魔が出るらしい

こいつがそうだろう。殺気が出過ぎてる

もうすっかり暗くなった周りを見て思った


殺りたいなら殺ってくれ


A「いいよ。殺しなよ。なんの希望も無いし、守るものも失ったから」

男「へぇ〜 なら遠慮なく」


男が刀を振り上げて私を斬ろうとしたその時だった


?「女なんか相手にするなんて男が廃るぜ」

え?

男「だっ誰だ!っ!その服っ!真選組か!くそ
っ!」

なに?

?「総悟、そっちに逃げた!頼んだぞ」


私には何が起こったのか分からなかった

誰?真選組?

暗くて見えなかったはずのその人の顔が月の光に照らされはっきりと見えた


A「っ!」


あまりにも優しい顔だった


?「大丈夫か?立てるか?」


そんなことを聞いてくるからびっくりした

自分の手からは血が出てるのに


A「あの…血が…」

?「? あぁ、このくらい大丈夫だ。それよりおまえは?」


自分のことなど気にせず私の心配ばかりするその人が不思議で仕方なかった


A「おかげさまで、大丈夫です」


私はありがとうすら言えないのか


?「そうか。襲われた後で悪ぃが話を聞きたい。屯所に来てくれるか?」


屯所?真選組の?


A「はい…」

?「そうか。ならこっちだ」


そう言って私を立たせたあと、彼は歩いて行ってしまった

それでも彼はできるだけ私の歩幅に合わせてくれた


なんでそんなに優しくするんだろう


不思議で

でも

嬉しくて

私は何も言わず彼のあとを着いて行った

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作者名:風凛 | 作成日時:2019年1月14日 16時

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