あと一ヶ月と少しだけ ページ8
マサイが元に戻った日の夜の話。
出前を頼んで寿司やら、ピザやらいろんな食べ物を食べていた時だった。
“パーンッ”
その音にいち早く反応したシルクが窓へ走る。
シルク｢おーい！花火打ち上がってんぞ！｣
どうやら近所の大きな公園で花火大会が行われているらしい。
ンダホ｢え！ほんと！？みるみる！｣
ザカオ｢こんなに綺麗に見えるんだなー｣
はしゃぐ三人を見ながら俺とマサイは携帯やカメラでその景色を写していた。
俺は数枚だけ撮ると三人がいる場所に行く。
ベランダの下を覗くと各階の住人さんが顔を出して
楽しそうに花火を見ていた。
子どもたちも夢中になって目を輝かせている
こういう光景、微笑ましいなあ
“パシャリ”
『……ん？』
マサイ｢隣、失礼しまーす｣
そう言ってニコニコとカメラの画面を見せてくるマサイ。
映っていたのは花火を見て微笑んでる俺の顔
『こんな顔……してたんだ』
マサイ｢あの下の子どもたちとソックリだな｣
『さっき俺も微笑ましいなあって見てたよ』
マサイ｢アイツらも負けてねえぞw｣
｢｢｢たーまやー！！！｣｣｣
マサイ｢っるせぇ！ww｣
『ほら！皆、ピザ冷めちゃうよ？』
えー！と言いながらも中に入る三人。
でもマサイはボーッと花火をみつめていた
マサイ｢ぺけたんや｣
『なあにー？』
マサイ｢あの日、土手に誘ってくれてありがとう。｣
あの日というのは、中学生の時に初めて七人が集まって遊んだ日のことだろう。
マサイ｢きっとぺけが誘ってくれてなかったら、
フィッシャーズ出来てるかどうかも分かんないし
シルクのこと嫌いなままだったかもしれないし
……こうして花火を見ることだって、出来なかったかもしれない。｣
嗚呼、あの日も夏だったな。
皆が受験勉強に必死になってるのに、
俺ら七人は川に飛び込んで幼稚園児のようにはしゃいで。
フィッシャーズ結成の時は冬も川に飛び込んだな。
『なに言ってるの？』
そんな思い出深い夏も、あと一ヶ月と少しで
『 “かもしれない。” なんて無いんだよ！
……今、こうして見れてる。皆と過ごせてる。
そうでしょ？マサイ』
__________________終わる。
マサイ｢……ああ。そうだな！｣
長いようで、短い夏の夜。
最後の花火が打ち上がって、小さく｢アデュー｣と呟いた。
end.
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カイ - 感動してます。更新待ってます！ (2020年1月11日 20時) (
レス) id: 7192b6431b (このIDを非表示/違反報告)
ちい(プロフ) - エイジくんの話…書いてくれてありがとうございます… (2019年2月2日 20時) (レス) id: 5083d910a8 (このIDを非表示/違反報告)
?ひまわり?(プロフ) - えいちゃんの話・・・(´TωT｀)書いてもらえて嬉しかったです。感動です (2019年1月30日 20時) (レス) id: 19333092ac (このIDを非表示/違反報告)
まちゅ@三度目の正直(プロフ) - エイちゃんの話、感動です(´；ω；｀)書いてくれてありがとうございます。 (2019年1月30日 19時) (レス) id: b1133c30ec (このIDを非表示/違反報告)
琳寧冬月(プロフ) - 続き読みたいです！頑張ってください！ (2019年1月20日 22時) (レス) id: 9d24b8e5ff (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：てぃろ | 作成日時：2017年7月17日 9時
