俺たちフィッシャーズは……

存在 ページ47

変な時間に起きて変な時間に寝る。


これが俺の日常。



編集や仕事、カメラのメンテナンス



こんなことをやってる最中に眠気が襲ってくるもんだから




『悪い子ね……』




独り言も増える。




そういえばさっき呟いた言葉、

台湾のアスレチック動画で叫んだなあ

もうあれから数日経とうとしてんのか




台湾に持ってったカメラのフォルダを漁りながら、余韻に浸る



ダホが臭豆腐を食って死にそうになってる写真

それを見て大きな声で笑うシルクの写真

街中で風景を楽しむモトキの写真

相変わらずお酒に酔うぺけの写真

ウオタミさんたちと撮った写真


そして皆ではないが、台湾に行ったメンバーの写真



携帯を開くと行ったメンバーから写真が送られてきていた。

各自の携帯で撮ったものが使えそうなら、
何かしら使いたいので頼んでおいた


あ、俺が写ってるやつもある


自分が撮る側だから普段は俺はあまり写らない



『……あ』



左足が透けている写真。


まあ、こういうこともあるし
カメラを向けられた時にしか写らないようにしてたりするんだけど



メンバー皆で撮る時に透けるのはタイミング悪すぎる。






『これ、使えないな』






思ってしまう


なんで、俺がこんな病気なんですか。と







『まあいっか』









最初は思ってた。









昔は透けている写真を見る度に胸を痛めた。




まるで




「写真に写ってはいけない」




そう言われている気がして。




でもだんだん年を重ねていくと

その俺自身が透けている写真を愛しく思っていた





それは、ちゃんと俺が

その写真に“写っている”という証明だったからだ。





透けていても全てが透けているわけじゃない



一部の存在がなくても、姿 形として残っている



それが俺がメンバーとその場所にいたという


“存在意義”になっていた。







『また行きてえな、今度は皆で。』








今度は全員で俺が透けてない姿で撮りたいな







end.

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