その涙を拭いたい (ページ32)

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31話ページ32

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紫耀side

言葉を失う俺に構わず話を続ける岸くん

岸「１ヶ月以上前かな？仕事終わりに一緒に帰ってる時にいきなり廉が目元抑えて蹲り出してさ。尋常じゃない痛みが来てたみたいで、それが収まったと思って顔を上げたら目から星のカケラこぼしてて、瞳の色が金色になってたんだよ。それが始まり。」

紫「...」

岸「その後俺の家に連れてって調べたら廉が星涙病って事が分かって。星涙病の原因が恋愛を拗らせる事だって知って、廉に聞いたら恋人がいてその恋人と上手くいってないって言ってて。」

紫「...！」

岸「廉は自分で何とかするって言ってたけど結局病気が進行して今あの状態って訳。」

岸くんからの言葉にひどく動揺して思考回路が上手くまわらない
ただ1つ分かった事は、廉が今あの状態になっているのは..

俺が、原因って事だった

岸「..紫耀には言わなきゃな、って思って。」

紫「...なんで、」

何で俺に？その言葉は声にならなかった
岸くんが、ただひたすら俺の目を真っ直ぐに見つめていたから

岸「..廉さ、昨日俺に電話して来た時、気を失う寸前に言ってたんだよ。無意識なのかもしんないけど。小さい声で、

紫耀、って。」

紫「！！」

岸「だから紫耀には言わないとな、って思ったから言った。それだけ。まあ、廉が治るまで廉の面倒は俺が見るから。紫耀は安心してよ。」

そう言ってから岸くんは立ち上がり、「先に戻ってっから」と言ってから歩き出す
だけど俺は岸くんの言葉に1つの疑問を感じて、思わず引き止める

紫「岸くん」

岸「ん？」

俺の方へ顔だけ向ける岸くん

紫「..岸くんは、廉が好きなの？」

岸「...」

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