【夏油傑】初めまして、結婚して欲しい

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私は先にお風呂に入ることにした。
傑は夜ご飯を食べて、片付けも
自分でやるから、お風呂入っておいで、と
心配してくれている。




「…ふふ」




笑みが溢れてしまった。
にやけて人様に見せられる顔はきっとしてない。

昨日あんなに泣いて、辛かったことも
結婚式の話でもう忘れてしまった。




「好きだなぁ」




なんて呟いて、浴室を出た。
上がって来て、傑を探すとリビングには
いなくて、暗い玄関にたっているのが見えた。




「傑…？」

「…ああ、ごめん。私宛のものがあったから」

「そっか」



私は傑に背を向けて、私はリビングに向かった。
すると、彼は私を呼び止めた。




「A」

「？なに、」




傑はずん、と私に近付いて背後に立つ。
そして、私の首に触れた。

私はどうしたのかと、振り向く。




「…A、これなに？」




触れたのは、首の真後ろ。
きっと指したのはキスマーク。
思わず、私の肩はぴくりと震えて、
途端に焦る。




「え、っと…違うよ」

「何が」

「ぁ、」




傑から返された言葉が、
多分無意識だけど冷たくて言葉が出なかった。




「ただの、…虫刺されだよ、」

「ふぅん…そうかい。
じゃあお風呂に入ってくるよ」





手は離されて、スタスタと彼は
お風呂場に消えた。
傑に気づかれてしまった。

首の真後ろは見えないから。
虫刺されなんて、見え透いた嘘過ぎて
自分が嫌いになりそうだ。




.作者
え？やらしいことは？

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