story389 リーゼント ページ10
あれよあれよと
物事は進んでいき
私は待ち合わせをしていた
稲妻町の隣町の駅にいた
なんで 稲妻町の隣町なんだ！！？？
雷門に会いはしないか
ビクビクしながらオヤジを待つ
髪色が何かと目立つので
ボブくらいに切りそろえ
それをどうにか帽子の中に押し込んだ
ショートにしたかったけど
美実に全力でとめられてしまった
最近 つくづく美実に弱いと感じている
駅の改札の人通りの邪魔にならないよう
壁にもたれて 周りをキョロキョロしてみる
サングラスの中年太りで紫の中国衣装を着た
人物がゆったりと歩く姿が見えた
私は走って彼の前に行く
彼は少し驚いてから にっと笑った
響木「元気そうだな」
「うん 元気
てか 財前総理から聞いてるでしょ」
響木「まぁな
でも 実際に会ってみないとな」
「…心配してくれてたの？」
響木「どうだろうな」
「ちょっと 感動してたのに！」
響木「ははは」
そして 私はオヤジと並んで歩き出した
「ここは？」
響木「学校だ」
「見ればわかるよ！！
なんで 学校なのかってことだよ！！」
そこはある公立の中学校だった
響木「まぁ ついてこい」
「あ ちょっと！」
オヤジは気にすることも無く
我が物顔で校内に入って行った
「不法侵入 不審者だよ」
響木「大丈夫だ 許可は取っている」
「はぁ…」
今は午後二時
世間の学校は午後の授業の真っ最中
校舎の外には誰もいないだろう
「オヤジ？入らないの？」
昇降口の前で私は右に曲がって行った
オヤジに声をかけた
響木「あぁ こっちだ」
オヤジは校舎に入ろうとせず
外から校舎の裏に向かった
？1「おい！ツラ貸せや！！」
校舎の裏の側面にあと一歩という所で
オヤジが急に止まった
「いたっ」
私はオヤジの背中に激突した
「急に止まんないでよ」
響木「静かに」
「はぁ？」
？2「そんなに声を荒らげなくても聞こえてる」
「何？ケンカ？？」
響木「そのようだ」
それから一言二言 喧嘩腰の会話がしたかと思うと
数人が走り出す音がして
学ラン姿の見るからに不良そうな男の子達が
私達の目の前を走って行った
その後ろをゆっくりと紫色の髪でリーゼントで
学ランを来た男の子が歩いてきた
彼は私たちに気がつくと
ポケットに入れていた両手をだして会釈した
私が会釈を返すと彼は走って行った
「あんなリーゼント初めて見た…」
響木「葉月」
「何？」
響木「追え！」
「え！？ あ うん！！」
私は言われたままに彼を追って走り出した
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作者名：風原 澪羅 | 作成日時：2019年2月16日 1時
