story410 髪型 ページ31
監督「飛鷹の練習に付き合え」
「あ はい」
監督「あと 今日の分の報告は今日中にな」
「…鬼畜……」
監督「何か言ったか？」
「いえ なにも…」
トビー「葉月 行くぞ」
トビーは私がまとめた2つの荷物のうち
大きい方のボストンバックを持って歩き出した
「あ うん」
私はもうひとつのバッグを持って
トビーを追いかけた
トビーの特訓は雷雷軒の裏の空き地
床にボールの絵を書いて(書かされた)
その上を素振りみたくひたすら蹴る
ボールの真ん中を貫くように
私はオヤジに言われて店のカウンターで
パソコンや資料を広げて報告書を作ってる
最初はトビーが練習してる空き地で
やろうとしたんだけど 暗いから と言われて
お店でやることにした
ついでに上がる時間に合わせて
飯作っといてくれと言われた
全く 歴代の監督は私をこき使うんだから…
トビーの練習の終わる30分前に報告書が片付き
ご飯を作り 彼らがお店に戻って来るのを待った
トビーは疲れ切った様子で
カウンターの椅子に溶けるように座った
トレードマークのリーゼントが崩れてる
オヤジ「奥で顔洗ってこい 飛鷹」
オヤジがタオルをトビーに投げた
トビー「はい」
しばらくしてトビーが帰ってきた
見るとリーゼントが跡形もなく無くなっていた
「え！？ドビー 髪！！」
トビー「？あぁ 崩れてたから下ろした」
「まじか…」
トビーの髪は前髪も全部
いつも下ろしてる後ろの髪の長さだった
何だか幼く見える
トビー「あまり見るな」
オヤジ「葉月 お前見るの初めてだったか？」
「うん
トビーの特訓の後
一緒にご飯食べるのなかったもん」
美実が寂しがるので
なるべく早く帰るようにしてた
オヤジ「そうか…
こうしてると年相応に見えるだろ？」
「ほんと 幼く見える」
トビー「やめてください///」
彼はタオルで口元を隠した
「えーどーしよーかなー」
トビー「おい 葉月」
トビーはもらったタオルを頭にまいて髪を留めた
私はしばらくトビーを弄りながら
三人でテーブルを囲んで一緒にご飯を食べた
でも 私たちは気づいてなかった
オヤジがあまりご飯を食べていないことに…
恐ろしいことに4人席のテーブルいっぱいに
並べられた料理を全て平らげた
私とトビーは親父に奢って貰ったので
お皿洗いをしている
オヤジ「お前ら
高校になったらここにバイトしにこい」
「へ？」
トビー「いいんですか！？」
オヤジ「おー」
トビー「ありがとうございます！」
トビーの目がキラキラしてる
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作者名：風原 澪羅 | 作成日時：2019年2月16日 1時
