【病系短編集】ひとりにしないで。(×JUMP)

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蘇る記憶。



高校生時代、アイドルとしてデビューした俺はクラスメイトからいじめを受けていた。







毎日毎日呼び出されるのはトイレ。
殴られたり蹴られたりするのなんて当たり前。





あるときは何時間も閉じ込められる。
顔を便器に付けられ、上からは水が降ってくる。







寒くて寒くて、凍えそう。









やめて、






そう言ってもやめてくれない。
だからといって逃げる勇気もなかった俺は卒業まで耐えた。







メンバーにいじめられていたことを打ち明けたのは大学に入学してから。


気づけなくてごめん、って何回も謝ってくれた。







それから俺は狭い部屋とかに何時間もいると過呼吸になるようになった。









伊「はぁっ、落ち着け、ふぁ…ふぅ」









いるはずもないのに。
そこには俺をいじめていたヤツらの幻覚。









伊「来るな、来るな来るな来るな…」






バンバン、バンバン…





開いてくれないドア、あいつらの呼ぶ声がする。





伊野尾くん、って。







腕はもう痺れていて感覚がない。







「伊野尾さん！？大丈夫ですかっ？今、セキュリティ会社に電話してます」






スタッフさんの声ですらも、俺を痛めつけるためにやってきた人の声に聴こえる。









伊「うわぁ、っ…やだ！来ないでっ、あぁ"っ、あーー！







助けて、っ」









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