14話 入部するのは…! ページ15
置物会長に促され、
依頼人と私たちは向かい合って座る
椿「えー…。僕は2年の椿佐介、
隣にいるのは同じく2年の可憐です。
まず、あなたの名前を
伺ってもよろしいですか?」
西本「うん、私は3年の
西本美里《ニシモトミサト》。」
ふいに、安形会長と目が合った。
私も、聞くべきか…な…?
あ「………ぇと…
それで、どうなさいましたか?」
なんか病院みたいだな…
西本「実は…これが…私の筆箱に…」
…ぇ
あ「こ、これ!? 私のです!!」
椿「…むぅ?なんだ、可憐。
西本さんと知り合いだったのか。」
あ「あ、いえ、西本さんとは
初対面なんですけど…」
―――話は、こうだ。
2、3日前、
私がシャーペンを紛失し、
大体、同じ日に西本さんが
間違って所持していたらしい。
気付くのが遅くなったのは、
全く同じシャーペンを
持っているからとのこと。
ミ「おかしいですわね。接点のないお二人が、
シャーペンを誤って所持してらしたなんて…」
椿「そうだな…。
確かに丹生の言う通りだ!」
安形「別に、おかしなことでも
なんでもないだろ。」
あれ、安形会長って自席で寝てたんじゃ…
安形「椿たちのクラスには
西本郷美《ニシモトサトミ》、
つまり西本美里の妹がいるんだからな。
大方、落ちてあったシャーペンを
姉のと思い込み、不思議に思ったが
妹は持って帰り、机の上に置いた。
そんなとこだろ。」
………!
スゴい…
確かに、生徒会長だから
もしかしたら生徒一人一人のことを
前持って知っていたのかもしれないし
西本美里さんと安形会長は
同学年だから、多少の家族構成を
知っていたのかもしれない…
でも、それにしても、この推理力…
一体何者なの…この人…
―――後日、西本郷美さんに
確認したところ、安形会長の推測は
何一つ外れることなく、ビンゴだった。
その完璧な推理力、考察力に
私は惹かれ、生徒会に入部することにした。
ボ「はぁ…くっそ…はぁ…。
俺たちがシャーペン見つけて、夕華に
入部してもらうつもりだったのによー!」
安形「かっかっかっ。悪ぃな、藤崎。
今回は、生徒会に運があったようだ」
………
後輩にも大人げなく嘲笑う安形会長を見て、
やっぱり変えようかなと思うわたしであった。
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作者名:可憐 | 作成日時:2014年9月6日 21時