一 ページ1
［内証任務 天明大阪］において監査官として現れる刀剣女士、舞花一文字。この本丸は審神者が学生であり、テスト期間にきっちり被ったために判定が可で止まったが、実際は優ぐらい余裕であるゴリラ本丸である。他の一文字も、なんなら実装済み刀剣全振り揃ってるし。
「んで、話とは？政府の役人がこんなDK審神者になんでしょう」
「摘発した黒本丸から、刀剣を保護した。ほとんどの刀は審神者が逃げる際に言霊で折ったが、一振りだけ逃れていた短刀だ」
「その方を、ぼくたちの本丸に…？」
供である五虎退が呟いたのに役人は頷き、資料を差し出した。
「舞花一文字。そちらの本丸に配属はされていないが、それに足りる実力を備えていると見込んでいるからな」
「…わかりました。今、どうしていますか」
かつて上杉にあった刀で、五虎退とは面識があるらしい。嬉しそうな顔をした五虎退を見て、役人に質問を投げる。
「顕現を解いている。何度か顕現したが人間を見るとパニックに陥る上、意識がないこともある。それと、話すことが不得意のようだ。前審神者による呪いの影響もあるが、心が壊れているのだろうと」
「はい。で、その審神者は」
「政府の上役にコネがあったらしくって逃げられた。元の所属国はここではないが移動されていたらわからない。一応追ってはいるのだが限界があるんだ」
「まあ、やれるだけやってみますよ」
一振りの短刀を受け取って本丸に帰還した。とりあえず一文字部屋に突っ込んでいく。
「一文字〜？揃ってるかー？」
「小鳥か。揃っているが、どうかしたのか？」
「政府からの依頼で、短刀を引き取った。舞花一文字、黒本丸に配属されて、摘発時に唯一、言霊で折られることを逃れたらしい」
「舞が！？は、信じらんないんだけど」
わずかに黒い靄を刀身に写す美しい短刀。それを目にした姫鶴がガタリと立ち上がる。
「…顕現するぞ」
霊力を流し込むと人型に変わるが、やはり意識がない。
「これは…前審神者の呪いか」
「さすが則宗は鋭いな。多分だが、自分以外の霊力を拒否するようになってるんだろ。時間が経てば起きるらしいが人間がいるとパニックに陥るらしいから俺は報告しにいく。頼んだぞ」
「あぁ。雛鳥のことは任せてくれ」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 4人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：かえで | 作成日時：2023年8月6日 14時
