１３，王を決めかねる理由 ページ15
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その笑みには彼の全てが詰まっていた。
幼い頃から、王子である彼に気に入られたい者からの賛美と、他の王子を推したい者や彼の叔父を忌み嫌う者からの蔑みを受けてきたが故に、人間の二面性をよく知っている。
笑顔で良いことを並べても、裏では何を思っているか分からない。
それを身をもって体験したからこそ、他人の気持ちを、こうではないのか、あれではないかと過剰に考えてしまう。
これに関しては彼の考えの問題のため、私の持つ力ではどうにもできない。
近頃は落ち着いていると思っていたけれど……
『…シオン様…
以前にも申し上げましたが、貴方はこの国の第二王子でございます…
人の気持ちを知り、考えるのは人々の頂点に立つ人間として欠かすことができない力でしょう
しかし、それは同時に貴方自身を傷つけるために使ってはなりません』
「頂点って……それはユーリ兄さんで……俺は」
『シオン様』
王子に続きの言葉を言わせまいと遮った。
いつのまにか外は細い雨が降り、その雨音は都合よく私が今から放つ言葉を掠めてくれるだろうと感じる。
王子の従者にも、自らの侍女のアリスにも聞こえない、私と王子だけが聞き取れる声で言葉を放った。
『私が、第一王子を選ぶことはありません』
「…！？」
断定的であり、また彼にとっては衝撃的なことであろう。
それは、第一王子が国王になる未来がなくなったという事実と変わらないのだから。
では、誰が国王に？
第二王子はそう考えるだろう。
『シオン様は、王に求められるものは何と思われますか？』
「うぇっ？！…えっ……あー……えっと……」
動揺が明らかで返答は難しそうな様子にため息が出かけてそれをグッと堪えた。
『欲望や慢心に振り回されず、自らが収める国と民にとってバランスの取れた最善の選択を考えて行動することです
王は国そのもの
王が怠惰となれば国も傾き、王が暴君であれば国は破滅へと向かいます』
「……」
『愛し子である私が…その王を選ぶのであれば……』
＿A、我々子爵家は公爵家や伯爵家、ましてや王家ほどの大きい力は持っていない
しかし、民を思い、民のために働く事は、民に選ばれたからこそ上に立つ
幼い頃、駄々をこねる私に諭すように話しかけるお父様の声が鮮明に思い出される。
『それだけは妥協ができないのです』
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ルティ(プロフ) - 1さん» 時間がある時に更新していくので、是非最後までお付き合いください♪(*´꒳`*) (9月1日 18時) (
レス) @page28 id: 2e4d945607 (このIDを非表示/違反報告)
1 - 凄く面白いです。この後の展開がとても気になる。賢い女の子サイコー！ (8月28日 20時) (レス) @page28 id: 3bc86cc6f5 (このIDを非表示/違反報告)
ルティ(プロフ) - 推しが尊い国民☆さん» そう言って頂けてとても嬉しいです♪ありがとうございます！！頑張って更新するので、是非続きもお楽しみに！d(^_^o) (2023年5月1日 12時) (レス) id: 2e4d945607 (このIDを非表示/違反報告)
推しが尊い国民☆(プロフ) - ひやぁぁぁぁ!!!!!めちゃくちゃ大好きです!!!!!なんとなく誰が誰が予想？がつくというか…表現がとても分かりやすくて、内容がスラスラと入ってきます!!!!!とても面白いです!!!!! (2023年4月20日 22時) (レス) @page15 id: af4a079e32 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ルティ | 作成日時：2023年2月18日 14時
