９，愛し子の意向 ページ11
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『陛下の決定に異論がないという事です
前回にも申しましたが、私は特に相手へのこだわりがありませんの』
「…っ」
第一王子は言葉を詰まらせた様な声を出す。
彼はいつもそう……少々自身を買い被り過ぎている。
前回は「愛し子の隣は第一王子である私が並ぶべき」と陛下に進言し、参席の席を颯爽と奪い取るが如く自分のものにした。
そして今回は、第二王子に取られた席を“愛し子の意向”を利用して取り返そうとしている。
愛し子の意向とは、古くから大切にされている…愛し子であるからこその強い発言力の事。
例えば、王以外があの場の全員が第一王子を推したとしても、王が第二王子を推せばそれが最優先事項となる。
しかし、私が一言、『第三王子が良い』と言えばそれが最優先事項に加えられ、熟考が行われる。
王に匹敵し、その他の王族の言葉よりも優先されるその発言力は、古来からの愛し子の歴史よりもたらされているのだ。
とある時代の愛し子が２人の王子から伴侶を選ぶ際、第一王子の影響が大きく、周囲から圧をかけられた愛し子は第一王子を選ぶ他選択肢がない様な状態…
愛し子は泣く泣く、愛し合っていた第二王子を諦めて第一王子と契りを交わし、第一王子が国王となった
しかし、その瞬間からこの国は徐々に傾いていき、最後は国王への民の不満が限界まで募り、第二王子が先導する反乱により、王はその座を追われ、処刑された
愛し子はというと、ずっと彼女を忘れられなかった第二王子から正式に求婚を受けて二度目の結婚を決めるが…
民は初め、愛し子とはいえ、国を破滅に導きかけた前国王の妃を再び王妃に据えるなんて…そもそも愛し子というのも嘘なのではないか…と不満をもつ者が多かったがすぐに晴れていく
第二王子が国王を務めた１年間現状の回復すらもなかなか進まなかったのが、愛し子を王妃にしてからすぐに国が良い方向へと進んでいった
停滞していた復興は進み、干上がった畑や水路は潤いを取り戻し、魔獣被害がパタリと失せ、他国からの移民や、かつて出て行った元々の国民が出戻り、国は賑わいを取り戻したという
それからというもの、愛し子の幸せこそが国の安寧に繋がると謳われた
後々、愛し子が自らの意思を言葉にする事を“愛し子の意向”と言い、それを蔑ろにする事は禁忌とされている
そんな背景もあり、現代の愛し子である私も、言葉を一つ一つ、慎重に選ばなければならない。
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ルティ(プロフ) - 1さん» 時間がある時に更新していくので、是非最後までお付き合いください♪(*´꒳`*) (9月1日 18時) (
レス) @page28 id: 2e4d945607 (このIDを非表示/違反報告)
1 - 凄く面白いです。この後の展開がとても気になる。賢い女の子サイコー！ (8月28日 20時) (レス) @page28 id: 3bc86cc6f5 (このIDを非表示/違反報告)
ルティ(プロフ) - 推しが尊い国民☆さん» そう言って頂けてとても嬉しいです♪ありがとうございます！！頑張って更新するので、是非続きもお楽しみに！d(^_^o) (2023年5月1日 12時) (レス) id: 2e4d945607 (このIDを非表示/違反報告)
推しが尊い国民☆(プロフ) - ひやぁぁぁぁ!!!!!めちゃくちゃ大好きです!!!!!なんとなく誰が誰が予想？がつくというか…表現がとても分かりやすくて、内容がスラスラと入ってきます!!!!!とても面白いです!!!!! (2023年4月20日 22時) (レス) @page15 id: af4a079e32 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ルティ | 作成日時：2023年2月18日 14時
