第1章.作戦遂行（3） ページ4
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相手が一般人ならともかく攘夷志士だ。敵である。
普通に近づけば当たり前だが警戒される。
どうしたら手っ取り早く落とすことが出来るか。
自分を心の底から好きにさせることが出来るか。
沖田の意識は、団子屋から完全に女へと変わっていた。
❀.*･ﾟ .ﾟ･*.✿
｢そういえば最近、変な集団が力をつけてきてるらしいわよ｣
｢変な集団？｣
｢ええ、
｢嫌だ怖いわねぇ｣
(誰が“変な集団”だよ)
年増の女たちが井戸端会議を開いている横を、Aは通り過ぎる。
今日は攘夷の勧誘をしている訳では無い。単に桂を探している。
数時間前用事に出ていったきり帰ってこないからだ。
心配する者も多く居たが、特にAは何とも思っていなかった。
割とよくある事だ。
｢帰るぞヅラ｣
｢ヅラじゃない、桂だ！｣
｢うっさいバレるから大声出さないで｣
北斗心軒の引き戸を開けぶっきらぼうに声をかければ勢いよく返ってきた聞き慣れた声。
Aは人差し指を口に当て無表情で制止する。
｢ごめん幾松。いつも邪魔してるみたいだな｣
｢いいんだよ、話し相手が欲しい時は丁度いいし｣
｢そう。それはよかったよ｣
優しく微笑む幾松に、Aも少し顔を綻ばせて答える。
次に彼女は例によって桂の隣にいるエリザベスに顔を向けた。
｢もうそろそろここを出て欲しい。先刻近辺で真選組隊士を見かけた｣
『了解』
掲げられたプラカードを見たあと、A視線を桂へ移す。その目は酷く冷めていた。
｢お前が
｢いや、俺が言っても来ようとせんのだ……｣
｢それはお前が馬鹿に声をかけるからだよ。銀時とか｣
少し萎れた桂にため息をつくと、Aは出口に向かう。
とてもテキパキとしている。
一言幾松に別れを告げ、そのまま外に出た。
後ろ手に扉を閉めてふと前を見る。
すると、ある者と目が合った。
｢うわ……｣と小さく漏らし、Aの顔は分かりやすく歪んだ。
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愛梨沙(プロフ) - 面白いです。更新楽しみにしてます (2019年12月16日 14時) (
レス) id: cd2953f50f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：望月向日葵. | 作成日時：2019年10月30日 0時
