第1章.作戦遂行(1) ページ2
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「最近、桂の所で一人目立つ奴が出てきた」
在る日の朝。
何時ものように真選組が会議をしていると、土方が難しそうに口を開いた。
「そいつの勧誘で最近攘夷活動を始める輩が増えてきてる」
噂によれば、週に一人程のペースで増加しているようだ。
このような情報は、真選組にとって聞き捨てならないことであった。
攘夷浪士が増加している為尚のことだ。
「ただ言葉選びが上手いだけじゃないですかィ。そういう役目が回ってくる奴ァ決まって剣技の才に恵まれなかった奴でさァ」
大してやる気もないのに口出ししてくれるのは沖田。
彼の言葉に、土方は「いや、それがな……」と一層顔をしかめた。
「攘夷戦争に参加してたらしい。当時まだ幼いながらに天人と渡り合っていたんだとか」
「へぇ……興味ありまさァ」
沖田の眼がキラリと光る。
要するに、一度対峙してみたいということだ。そこに近藤が止めに入る。
「総悟、探るのはいいが手荒な真似は止めてくれ。あの
「女?相手は女なんですかィ」
「嗚呼、名前はたしか_______」
千草色の艶やかな髪と透き通るような桜色の瞳を持つ女。
鮮やかな髪は高く結い上げられ、結び目には桜の花を象った髪飾りが光る。
着物を着用する者が多い中、彼女は何時も何故か男性用のシンプルな袴を身にまとっている為発見はしやすい。
しかし、その鍛え上げられた剣術、俊敏な動作により深手を負わされる隊士は後を絶たない。
「見つけたら至急援護を呼べ。話は以上だ、解散」
次々と隊士たちが部屋をあとにする中、沖田のみが土方に呼び止められた。
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愛梨沙(プロフ) - 面白いです。更新楽しみにしてます (2019年12月16日 14時) (レス) id: cd2953f50f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:望月向日葵. | 作成日時:2019年10月30日 0時