ねぇ、先生。【名前変換】 (ページ7)

今日:3 hit、昨日:16 hit、合計:176,722 hit

第七話ページ7

次の日の朝、自分の席に向かうと私よりも早く教室に来ていた(人4)が挨拶をした。

「おっはよ………って、どうしたのその隈！」

だが、私の顔を見てギョッとする。

「おはよ……昨日あんま眠れなくて…」

昨日は先生のことを考えていて、ぐっすりと眠れなかった。
そのせいか、目の下には隈ができてしまった。
それに、毎朝恒例の忘れ物チェックもしないまま学校に来てしまった。
たぶん忘れ物はしていないはずだ。
昨日のうちに教科書などは鞄に入れておいたし、その後にもう一度忘れていないかチェックしておいたから。

「眠い………」

そう呟くと、(人4)は

「先生が来るまでまだ時間あるし、少し寝たら？私が起こしてあげるから」

と言った。
その言葉に甘えることにしよう。
授業中に寝るよりはマシだろうから。
机に顔を伏せると、私はすぐに眠りについた。

「なんで起こしてくれなかったの！？」

「ごめんごめん、気持ちよさそうに寝てたから起こせなくて…」

(人4)は先生が来たら起こすと言った。だからその言葉に甘えた。
だが(人4)は起こしてくれなかったのだ。
そのせいでHRが終わってしまっているではないか。

「やらかした………成績絶対下がった……」

「何言ってんのよ、私なんて寝てることあるけどそこまで下がらなかったし」

「そんなの関係ないわ……最悪じゃん」

「ごめんってばー」

目の前でキャンキャン犬のように吠える(人4)は放っておくことにした。
そして次の授業の準備に取り掛かる。
もう(人4)なんて信じない…絶対に信じないぞ。

(人4)ははぁ、と小さくため息を吐いた。
こっちがはぁ、だわ。とか思ってしまう。
でもまぁ、私を起こさなかったのは(人4)なりの優しさだから、(人4)に聞こえるか聞こえないかくらいの声で、「ありがとう」と言った。

すると(人4)はふふっ、と笑った。どうやら聞こえていたようだ。
私もつられて笑ってしまう。
(人4)は唯一無二の親友だ。何かあっても結局許してしまう。
私もまだまだ甘いということだ。