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第二十四話 ページ24

始業式のために体育館へ集まったのはいいものの…。
校長先生の話が長すぎる。
ずっと体育館の冷たい床に座っているのは疲れてきた。

早く終わらないかな、なんて思いながら体育館を見渡す。
無意識に(人3)先生を探していた。
先生に会いたい、先生と話したい。そんな思いが心を支配する。
早くこの長い始業式が終わって、新しいクラスを発表してほしい。

この時間がとても苦痛だ。
私は早く終われ、なんて思いながら膝に顔を埋めた。



結局どれほどの時間が経っただろうか。
長かった校長先生の話も終わり、今から新しいクラスの発表が行われる。
発表、といっても一年生の時に使っていた教室に戻り、新クラスの表を配られるだけだが。
その表が配られた後、新しい教室に移動するという感じだ。

体育館から教室までは(人4)と戻った。

「同じクラスになれるといいね」

なんて、二人で笑いながら。

教室に皆が戻ってきたのを確認してから、先生は「新クラスの紙配るぞー」と気だるそうに言った。
皆に配り終えるまで見るのは禁止な、と付け加えて。
生徒たちは「どうだろうね」、「同じクラスだといいなぁ」なんて口々に話している。
私もそわそわしていた。早く配ってくれ、先生。
そんな私たちの気持ちを知って意地悪しているのか、先生はゆっくりと紙を裏向きに配っていく。

やっと紙が回ってきて、私たちは一斉に紙を表に向ける。
そしてまずは自分の名前を探す。
(人1)A……(人1)Aは……。
見つけた。
私の名前は三組の欄にあった。自分の名前の一つ上には、(人4)の名前もあった。
(人4)と同じクラス……それだけで私は嬉しくなる。
が、もう一つ願っていたことが。
そう、(人3)先生が担任であること。

担任の先生は誰なのかと紙を見る。
そこにはたしかに(人3)(人2)と名前があった。
私は「嘘でしょ…!?」と声を上げる。
だけどその声は、他の生徒の喜ぶ声や悲しみの声に紛れて消えた。

(人4)に「同じクラスだよ!」と声をかけると、彼女は私の方を見て「うん、うん!」と嬉しそうに頷いた。
二人でハイタッチをして、小さな子どもみたいにはしゃぐ。

他の女子生徒の言葉に耳を傾けてみる。

「(人2)先生のクラスだった」という喜びの声や、「(人2)先生のクラスがよかった」という悲しみの声が聞こえてきた。
私は(人3)先生のクラスだったもん、なんて心の中で自慢しておいた。

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作者名:りつ(みずりんろーる) | 作成日時:2018年11月26日 17時

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