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第一話 ページ1

たぶん、気づいた頃には既に先生に恋していたのだと思う。

先生のことを考える度に心臓がうるさかったし、先生の顔を見ただけで、その日の授業も頑張れたから。

生徒が先生に恋なんて、有り得ない話。それは自分でも分かっている。
私だって、先生に恋をするなんて思っていなかった。


先生にとって、私はただの生徒に過ぎない。
先生から見れば、私はただの子どもなのだろう。
それでいいのだ。その方が私も辛くないのだから。

この恋心に蓋をして、いつも通り学校生活を送ればいい。

誰にも気づかれてはならない。
誰にもこの話はしない。
そう決めていたのだけど。




「(人1)さんって、先生のこと好きだよね?」

「Aは、先生に恋してるの?」

「なんで、教えてくれなかったの」

「(人1)さんって先生のこと、好きらしいよ」




「その好きってさ、先生として……だろ?」



違う、違うよ。
私は先生のこと、一人の男の人として好きなんだよ。




「ありがとう」


私の気持ちなんて知らずに、先生は嬉しそうにそう言った。

第二話→



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作者名:りつ(みずりんろーる) | 作成日時:2018年11月26日 17時

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