特級呪術師から逃げれるはずがなかった

拾肆話目 ページ16

「さ・と・る。何回も言わせないでくれる？」
「ﾋｮｴｯ」

いや、別にそこまで名前呼びを強制させたいわけじゃないんだけどさ。

顔真っ赤にさせて小動物みたいに縮こまってる姿を見ちゃうと、ねぇ？


いじめたくなっちゃうよね！(満面の笑み)



「あぁそうか。僕だって君のこと“Aちゃん”呼びだしね。ごめんごめん。これからはAって呼ぶよ。だから、ね？A」
「いやあのそのちょっ…えとあのですね」
「どーしても無理っていうなら“悟くん”でもいいよ♡なんか新婚さんみたいでウケるね。あ、もう新婚か」
「しんこｯｯ……いや、さとｯ、さと、る、、くんもちょっと……」



悔しいのか恥ずかしいのかよくわからない表情で苦言を呈す彼女。

え、何この生物可愛い

まじ？ホントに俺からあんなに逃げるほどの胆力を持ったあの子？



これが、ギャップ萌え……！？
(※違います。ただのS心です)



「Aの方が良い？Aちゃんの方が良い？」
「鈴木でけっこうで…」
「やだなぁ。君はもう“五条”だよ？」
「ヴッ………Aで、お願い、します」
「うん！じゃあAちゃんにするね！」
「なんでぇ！？」


そろりそろりと1歩ずつ下がっていく彼女。
そこにさっきのような恐怖心は見当たらないけど、なんかムカついたので、僕もジリジリと近づくことにした。

そして急に彼女との距離を詰める。

「ばあっ！」
「むげぇッ！？」

急に至近距離に来た僕に驚いたのか変な声を出す彼女。


やべ、超楽しい

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