犬が二十四匹 ページ33
「小僧、お前が行け。」
「ヘッ!?」
「ただ見張るだけだ。それに、密輸業者は無法者だが大抵は逃げ足だけが取り柄の無害の連中___初仕事には丁度良い。」
「で、でも」
「谷崎、一緒にに行ってやれ」
「兄様が行くならナオミもついて行きますわぁ」
谷崎、ナオミ、敦が出て行った後の探偵社内___
三人が出て行った扉をじっと見つめる夏希。
「…………」
「夏希?どうかしたのか?」
「んーん!何でもない!」
「?そうか」
不思議そうにしながらも、国木田は掃除をするために掃除機を取りに行った。
「……異能力__犬のおまわりさん」
夏希が小さく呟けば、異能の光が夏希を包み込む。
光が収まると、そこには青いバンダナを付けた一匹の柴犬がちょこんと座っていた。
「たろー、敦たちを尾行して。」
「了解した主」
夏希の命令に人語で返した柴犬。
柴犬もとい、たろーは異能生命体なので、夏希が設定すれば犬語だろうが人語だろうが何でも話すことは可能だ。
まあ、太宰が見れば発狂するだろうが。
たろーが敦を追って行ったのを見届けると、今度はヘッドフォンを付けてソファに転がる太宰の元へ。
「だーざーいぃぃぃぃぃ!!」
「ぐへぇ!!」
そしてうつ伏せになっている太宰の背中に、ダッシュからのダイブ。
結果、太宰の背骨が危うくなった。
掃除機をかけていた国木田が、ソファにいる太宰と夏希を発見する。
太宰はうつ伏せに転がったまま変な歌を歌っているし、夏希は太宰が常日頃読んでいる完全自 殺読本をペラペラとめくっている。
この時、齢10の幼女になんて教育に悪いものを読ませているんだと思った国木田ママ
「おい邪魔だ。除け」
国木田の言葉に夏希は反応して移動するも、太宰は見向きもせずに手をひらひらと振るだけ。
「全く、何故こんな奴が探偵社に……我が理想にはこんな……」
太宰の態度に国木田の怒りゲージは溜まる一方。
一定値を超えたのか、国木田は太宰のヘッドフォンを捥ぎ取る。
「「あ。」」
「おい太宰!仕事は如何した!」
国木田は太宰の耳元で怒鳴るが、太宰はいつの間にかヘッドフォンを取り返していた。
ヘッドフォンを取られたことに気付いた国木田が何かを言う前に、太宰は笑顔で言う。
「天の啓示待ち」
今日のキャラクターは?
国木田独歩:夏希の教育を太宰に任せられなくて不安な22歳。代わりに色んなことを夏希に教えている。勉強面はすべて国木田先生が担当。太宰が「料理が出来る」と知って気絶寸前になった人。
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Noir(プロフ) - 竜騎士みぃさん» あああああ本当だ!!ありがとうございます!すぐ直してきます! (2019年8月17日 1時) (レス) id: 5fb58605be (このIDを非表示/違反報告)
竜騎士みぃ(プロフ) - 20頁、福沢さんの行動文の所の名前変換が括弧になっていない気がする。(がんばれ) (2019年8月16日 17時) (レス) id: e8f36b9305 (このIDを非表示/違反報告)
Noir(プロフ) - なっつぅぅ!!さん» 太宰「あーれー」夏希「敦、太宰が飛んで行っちゃったよ?」敦「なっちゃんはあんな大人にはならないようにね。」夏希「?わかったー!」 (2019年6月1日 7時) (レス) id: ccae734d37 (このIDを非表示/違反報告)
なっつぅぅ!! - 国木田「だぁざぁいいぃぃ!!!」 (2019年6月1日 6時) (レス) id: 9cf5f7dc68 (このIDを非表示/違反報告)
Noir(プロフ) - なっつぅぅ!!さん» 夏希「にゃんだほー!」太宰「可愛いよなっちゃんんんん!!」← (2019年5月31日 23時) (レス) id: 5fb58605be (このIDを非表示/違反報告)
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