犬が二十三匹 ページ32
「中てたら貰える？本当に？」
「自 殺主義者に二言は無いよ。」
太宰の言葉に、敦の目つきが鋭くなる。
「勤め人」
「違う」
「研究職」
「違う」
「工場労働者」
「違う」
「作家」
「違う」
「役者」
「違うけど……役者は照れるねぇ」
すべて外した敦が唸っている横で、太宰が頬を手で覆い、くねくねと動きながら照れている。
はっきり言って気持ちが悪い。
「太宰きもちわるい」
「えっ……」
夏希にまで言われる始末だ。
「だから本当は浪人か無宿人の類だろう？」
「違うよ。」
太宰は席を立ちながら言う。
「この件では私は嘘など吐かない。
うふふ、降参かな？じゃここの払いは宜しく。なっちゃん行くよ〜」
「はぁい。おねーさん、これパフェのお金〜」
「あっ」
太宰と夏希が店を去ると、それを見計らったかの様に谷崎の携帯が鳴る。
「ハイ。……え、依頼ですか？」
処変わって探偵社内。
ソファにちょこんと座る女性と、向かい合うように置いてある一人用ソファに座る谷崎、そして谷崎の後ろに待機する探偵社員の５人。
不安そうにしている依頼人に、谷崎が話を切り出した。
「えーと、調査のご依頼だとか。それで＿＿」
「美しい……睡蓮の花のごとき果敢なく、そして可憐なお嬢さんだ。」
「へっ！？」
「どうか私と心中していただけないだろ＿＿」
スパァァンッと探偵社内に凄まじい音が響く。
谷崎の言葉を遮った太宰を、国木田が太宰の言葉を遮ってひっぱたいたのだった。
国木田は依頼人に一言入れ、太宰を別室へ引きずり込む。夏希はその様子をじっと見つめたあと、依頼人に視線を戻した。
依頼人の話によると、ビルヂングの裏手に聞き慣れない異国語を話す輩がいるという。
「そいつは密輸業者だろう。」
別室から出てきた国木田が眼鏡を直しながら云う。
「軍警がいくら取り締まっても船蟲のように湧いてくる。港湾都市の宿業だな。」
「ええ、無法の輩だという証拠さえあれば軍警に掛け合えます。ですから＿＿」
「現場を張って証拠を掴めか……」
伏し目で依頼人の言葉を継いだ国木田がちらりと敦を見る。
「小僧、お前が行け。」
「ヘッ！？」
今日のキャラクターは？
国木田独歩：夏希の教育を太宰に任せられなくて不安な２２歳。代わりに色んなことを夏希に教えている。勉強面はすべて国木田先生が担当。太宰が「料理が出来る」と知って気絶寸前になった人。
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Noir(プロフ) - 竜騎士みぃさん» あああああ本当だ！！ありがとうございます！すぐ直してきます！ (2019年8月17日 1時) (
レス) id: 5fb58605be (このIDを非表示/違反報告)
竜騎士みぃ(プロフ) - 20頁、福沢さんの行動文の所の名前変換が括弧になっていない気がする。(がんばれ) (2019年8月16日 17時) (レス) id: e8f36b9305 (このIDを非表示/違反報告)
Noir(プロフ) - なっつぅぅ！！さん» 太宰「あーれー」夏希「敦、太宰が飛んで行っちゃったよ？」敦「なっちゃんはあんな大人にはならないようにね。」夏希「？わかったー！」 (2019年6月1日 7時) (レス) id: ccae734d37 (このIDを非表示/違反報告)
なっつぅぅ！！ - 国木田「だぁざぁいいぃぃ！！！」 (2019年6月1日 6時) (レス) id: 9cf5f7dc68 (このIDを非表示/違反報告)
Noir(プロフ) - なっつぅぅ！！さん» 夏希「にゃんだほー！」太宰「可愛いよなっちゃんんんん！！」← (2019年5月31日 23時) (レス) id: 5fb58605be (このIDを非表示/違反報告)
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