ふたつの椅子。 ページ13
＿＿あの子がほしい。でも自分はあの子じゃない。
相談すれば、あの子を貰えるかな。あの子になれるかな。
あれれ？皆が居ないな。いつの間にか手を繋いでいた人達が居なくなった、誰も味方してくれなくなった。
嗚呼、また残ってしまったな。残り者になってしまうな。
皆、残り者になりたくないから、ひとつの椅子を奪い取り合いするんだ。
ひとつの椅子という名の、『居場所』を。
でも誰かが『残り者』の椅子に座らなくちゃいけない。
そうしないと、成立しない。
仕方ない。仕方ない。仕方ないんだ。
上がいれば下がいる。下がいれば上がいる。
＿＿上は下を見下し、支配し、踏み台にする。
＿＿＿下は上を見上げ、憎み、踏み台にされる。
そうしたら、誰も『残り者』の椅子に座りたくなくなった。
理由は簡単。踏み台にされたくないから。
自分が傷付きたくないから。
なら、私が『残り者』の椅子に座ればいい。
残り者になればいい。踏み台にされたらいい。
だって、私は誰かの人生に影響を与えることがないんだから。
それに、『残り者』、『余り者』と言われる度に自分の存在感が、感じられた。
嗚呼、自分は『残り者』なんだ、と。
その時、存在理由などなかった無色の自分に、色が付いた気がした。どんな色だったかは、覚えていないけど。
それでも、私はもうあの子を＿＿椅子を奪い合わなくていいと知った。
それだけで、私は幸せだった。
でも、ある日一人でいるあの子を見つけた。
私は許せなかった。自分を。
自分が何故勝手に『残り者』の椅子に座れていた気分になっていたんだろう、と。
偽物の椅子に座っていて、何が楽しかったんだろう。
私は許せなかった。あの子を。
だから、私はあの子を残り者じゃないようにした。
そしたら、あの子の周りには先生や、忍たま達が集まってきた。
私は嫌悪の目をむけられる代わりに、『残り者』の椅子に座ることができた。
でも、
でも、
、
あの子は居なくなった。
いや、“そんなこと”関係無い。
私は与えられた役割を最後まで果たす。
私は、『残り者』で居続ける。
例え周りに何と言われようと。
果たす。
絶対に。
絶対に。
絶対に
絶対に。絶対に。
、
絶対に。
絶対に。
絶対に。
“何か”が犠牲になろうと。
、
絶対に。
、
…自分が狂ってしまったとしても。
＿＿＿＿＿＿＿＿
更新遅れて本当にすみません。
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澄香 - めっちゃ面白いです！！完結して欲しい！ (4月3日 21時) (
レス) @page33 id: 8b8bcc9d2b (このIDを非表示/違反報告)
訪問者 - コメントします！読んでいて頭の中がぐちゃぐちゃになって、でもなんとなく分かるような気がする不思議な感じがして面白いです！rkrnの嫌われ系は読んだことがなかったので新しい扉が開いた気がする…完結していただけると嬉しいです！主様のペースで頑張ってください！ (3月15日 21時) (レス) @page33 id: 679cde8edf (このIDを非表示/違反報告)
ユカリ(プロフ) - 完結して欲しいです…！ (9月28日 22時) (レス) id: 99bef8e01a (このIDを非表示/違反報告)
金平糖の欠片(プロフ) - 黒々ありすさん» コメントありがとうございます！分かります〜！！共感しかないです笑、更新頑張ります！ (2023年1月6日 9時) (レス) id: 05e2b88bf9 (このIDを非表示/違反報告)
黒々ありす(プロフ) - こういうのなんですよ。こういう狂ったような孤独とかの嫌われ系が大好きなんですよ。もっとこういうの増えて欲しいです。 (2023年1月6日 9時) (レス) @page30 id: 9838617702 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：金平糖の欠片 | 作成日時：2021年10月10日 11時
