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14話。 ページ15

どのくらいたったのだろう。







冷たい水のせいか体は冷えきっている。




『あーあ。また私は1人だ…。』






ポツリと言った独り言は水の中で寂しく響く。







いつの間にかに私は





何も持っていなかったはずの手に





ナイフを握っていた。









それは眩しくでも俯いているように 暗い 。







(あぁ。もう終わりにしたい…。)






手首に当てたナイフの冷たさは




もう、体の冷えきった私には分からない。







切ってしまった手首の痛さも




感覚が薄れて分からない。






ただそれを否定するかのように



水は濁り




鉄の匂いを鼻に遺しながら









静かに






静かに








消えた。



──────────────





目の前は少し濁った水の中で



それを見て、




ようやく死ねなかったことが分かる。





死にたかった事が分かる。





「自業自得でしょ。」






耳の奥で響く声は




一体、誰なのか






それを知りたいとも



もう思わない。







水の中にいるのに


手首を切ったのに



息は未だに苦しくない。








吐いた息は




泡となって消える。




「あんたはどうしたいA。」







『一瞬でもいいから帰りたい元の世界に…。』







自分からこんなにも





縋るような




泣きそうな



声が出るなんて思わなかった。








耳の奥で声がまた響く。





「じゃあ叶えてやろう。」







そこでまた意識が薄れていくのが







分かった。








────────────





目に入ったのは



白い見なれた天井。





帰ってこれたことが分かる。





安堵のため息をついた途端、





手首に痛みが走ったのが分かった。






見ると手首は血で濡れ





布団は赤黒くそまっている。




耳の奥でまた声が響く。




「お前は一瞬でよいと言った。



だから3時間後に死ぬよ。



傷は隠しておいてやる。




君は何も悪いことはしていない。




だがこれは君の辛い運命だ。




後悔のないよう、過ごしなさい。




さあ、カウントをはじめるよ。」





現れた砂時計と




悪魔の言葉は




耳の奥で響き続けた。




───────────

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plant* - rinne*さん» はいっ、読ませていただきます!!更新待ってます! (2016年3月2日 14時) (レス) id: fe40888a85 (このIDを非表示/違反報告)
rinne*(プロフ) - plant*さん» ありがとうございます!残りの二人の文才がすごすぎたんです笑ほんとにありがとうございます!こ、これからも読んでくださると嬉しいです…!! (2016年2月21日 16時) (レス) id: ffba06a939 (このIDを非表示/違反報告)
plant* - すごく面白いです! 描写?とかいろいろ細かくて…! 話に引き込まれました!更新頑張って下さい!!! (2016年2月21日 16時) (レス) id: fe40888a85 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:凛音、瀬戸有菜、ウサラギ* | 作成日時:2016年2月2日 13時

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