2年C組イタズラ係 (ページ2)

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1章・美奈の転校と大人の裏側ページ2

「おーっす！裕翔」
通学中、声をかけてきたのは親友の黒戸翔だ。
「もう2年かぁ…早いなぁ…」
裕翔がそんなことを口にしていると、
「なんかさ、転校生くるっぽいよ」
転校生。
今まで誰も転校してきていない裕翔には縁のない言葉だ。
裕翔が
「女？男？」
と聞くと、
「女らしいよ。」
女か。
どんなやつが来るのだろうか。
その時、裕翔の頭にふと疑問が湧いた。
「その情報誰に聞いたんだよ？」
「ああ、花咲春だよ。」
花咲春といえば、美少女で有名だ。
「そーいえば花咲、なんでそんなの知ってんだ？」
「んー、親がPTA会長だからだよ。」
PTA会長か。
なら知っているのも納得だ。
「それにさ、花咲って大人の黒い情報集めたブラックリスト作ってるんだってさ」
ブラックリスト！？
裕翔はなぜか翔が花先に詳しいことに驚いた。
「ブラックリストってどんなこと書いてあんだよ？」
と、裕翔が思わず聞く。
これもまともな答えが帰ってくると思ったのだが…
「いや、それは俺にもよくわかんない。」
そんな会話をしているとすぐに学校についた。
1年のときのクラスメートがザワザワと話している。
「お！翔と同じクラスじゃん！」
思わず翔とハイタッチをする。
一通りメンバーを見終わると、人の列が動き始めた。
二人はその人の流れに沿って歩き出した。
その先は校舎だった。
裕翔は自分のクラス…
2年C組へ向かう。
「皆さん揃いましたね、では、同じクラスの人の確認もしましたし、体育館へ向かいましょう。」
体育館につくと皆とりあえず座って開式を待つ。
しばらくすると始業式が始まった。
「えー、今日も本校はとても平和でー、」
実際はそんな長話は裕翔の耳に届いていなかった。
なぜ翔が春の事に詳しいのか考えていたのだ。
だがその答えが出る前に式は終わってしまった。
結局結論は出ず、イライラしたままだ。
また教室に向かう。
全員座ると担任が話し始めた。
「えー、私は君たちの担任の矢野光星です。」
そんなの知ってるよ。それより早く転校生！
と言いたいのを我慢し、平然を装った。
「それと、このクラスに転校生が来ます。」
「星野さん、どうぞー」
教室の引き戸を開け、美しい少女が入ってきた。
「星野未奈です。よろしくお願いします。」
少女はそれだけ言うと椅子に座った。
その日の授業は特に何もなかった。
「なあ、星野、帰らないのか？」
なかなか帰らない美奈に裕翔が声をかけると、
「帰りたくないの。」
と美奈が答えた。
「お母さんが怖いの。」