私がサッカーを嫌いな理由

24話 ページ26

4thステージのエリア……
まだここのトレーニングルームの点検が終わって無かったので…

重たい足取りで、トレーニングルームに向かった。


「はぁ……あっ!?蜂楽くん!」


蜂「ん!!あぁ!夢主じゃん!!やっほー」


ちょうどいい所に蜂楽くんがトレーニングルームから出てきた…


「……ねぇ、糸師 凛って今どこか分かる？」



蜂「え?…凛ちゃんなら食堂!なんか用事?」


「あっ全然!!分かった、ありがとー」



しめしめと思い、蜂楽くんにお礼を言ってトレーニングルームを覗くと…誰もいない…



「よし!!…あいつ来る前に早く点検済ませよ!」



糸師 凛…あの事があってからなるべく顔を合わせないようにしていた…


自分でも、なんで糸師凛の技を真似ようと思ったのか覚えてない…

分かるのは、自分が馬鹿な事をしたってことだけ。



「よし!…最後の一個は……」


早くここから出たいが為に、ちゃっちゃと終わらせるつもりが……

最後の点検は、トレーニングで使う小道具…


なんと、それが…壁に備え付けられてる棚にあった…

しかもちょうど手が届かないところ。



「…くっそ…」


必死にジャンプしたり背伸びをするけど…微妙に届かない…


諦めて、踏み台の代わりとなるものを探そうと周りをみわたす……


すると、一瞬視界に何かが入り…もう一度その方を向く…




「…え…」



凛「……何してんだ、お前」



今まさに、会いたくない人物が目の前にいる…

当の本人は壁によりかかって、こちらを見ていた



「……別に」


そう返すと、こちらに近付いて来て…思わず、下を向いた…



糸師 凛の足が視界に入った時…頭の上を何かが通った…



凛「…ほらよ」

「…え!?」


顔を上げると、糸師 凛の手には……目的の小道具が握ってあった…


取ってくれた…そう思って、「ありがとう」と言って小道具を受け取ろうと手を伸ばす…


すると、糸師凛はヒョイっと小道具を持ってる手を上に上げた……


「えっ……ちょっと、何してんの!?」


凛「…これが欲しかったら、質問に答えろ…

何でわざと外した…?」



「はぁ!?まだそんな事行ってんの!?」


凛「黙れ…いいから答えろ」


彼の手から小道具を奪えそうにない…正直に言おう…


｢…当てたら、あんたが面倒くさそうだったから!

早く帰りたくて、外したの｣


言っちゃった……

正直に言っちゃった……なんでこんなことに。

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