エゴトレ！！５【ブルーロック】

189 : 潔世一が " Extra " ページ45

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(ユッキー、)



必死の形相で左サイドを駆け上がるのは、先ほど惜しくもゴールを阻止された雪宮くんだった。



(……曲げられないよなあ)



己の意思。
信念とでもいうものは、そう簡単に。


それがたとえ「正しくなかった」としても。
想いが強ければ強い程きっと、その転換は難しい。

雪宮くんに限った話ではなく。



【スターチェンジ・システム、残り20秒を切りました。指導者は、これがラストプレーになりそうです】



指導者(マスター)ストライカーが試合に出場できるのは、3分間のみ。時間がくれば、そのプレーが切れた時点でベンチに下がる。


潔くんも当然、わかっているだろう。
この攻撃が自身にとって、最後の希望だということを。



「止めろ！ 11番潰せ！」



イングランドチームの声に、余裕はない。


右に黒名くん、左に世界No.1 を従えた潔くんの動きは最早＿＿＿＿＿＿＿＿＿



(別格(エクストラ))



青い監獄プロジェクトのスタート時、潔くんへの評価は低いものだった。それがこの進化はどうだ。



" 青い監獄で一番、化けた選手 " と。
以前ノア選手にそう評したのは、確かに自分だが。



(……驚かされるよ、毎度毎度)



彼はどこまで進化を遂(と)げようというのだろう。



「また三つ編みとのワンツーかよ、世一。芸がないぞクソピエロ」


【さあここで潔選手のボールを奪いに来たのはイングランドの選手ではなく、味方の！本来は味方のはずのカイザー選手！】


「煽りはるねぇAさん」


【味方同士でここまでボール獲り合うの、ほんとドイツチームだけだよ】



他のチーム、どこもそんなことしてないよ。←



「ピエロはお前だ、カイザー」


「完璧っす、指導者(マスター)……」



【いやノア選手は容赦が無い！ここで潔くんとポジションを入れ替え、カイザー選手の頭上を抜くパスを、再び潔くんへと出した！】



ちょ、ノア選手それ……いいの……？(震え声)
カイザー選手の顔、完全にキレてますが。



「潔！ 右後ろ！」



黒名くんの声に視線を戻せば、潔くんの右後方から千切くんがスライディングタックルを狙う。だが潔くんは難なく。



「バイバイ、お嬢」



悔しさに顔を歪めた千切くんへと言い置いた、潔くんの前方。



「ハロー、潔 世一(エゴイスト)」



「追いついた」と。
次に現れた凪くんさえも。



「じゃあな天才」



フェイクからのパスひとつで、あっさりと躱(かわ)してみせた。


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